2019年11月22日 公開
2023年02月24日 更新
電子マネーやスマホ決済などのキャッシュレス化は、今後急速に進むと考えられます。
日本人が現金主義なのは、全国に多数のATMが設置され、いつでも現金を引き出せたからです。
しかし今、ATMの維持は銀行にとって多大なコスト負担となっています。企業がお金を借りなくなり、低金利も重なって収益力が低下する中、銀行はATMの数をできるだけ減らしたいのが本音です。
国がキャッシュレス化を推進しているのも、金融業界の意を汲み、「現金がなくても経済活動ができる社会」を目指しているからです。
それに人手不足が深刻化する今、商売をする人にとっても、いちいち銀行へ行って現金をおろし、釣銭を用意する作業は相当な負担です。現金を使うことがデメリットになれば、ATMがかなりのスピードで減っていくことは間違いありません。
まだ詳細は明らかにされていませんが、政府は「給与の支払いを通貨(現金または口座振込)以外でも可とする」との法改正を行なう見通しです。そうなれば、PayPayやLINE Payなどのスマホ決済サービスに給与ぶんが直接チャージされ、そこから支払いや送金ができます。
銀行口座を介さず、企業と個人、あるいは個人と個人の間で消費経済が回り始めれば、従来のように国や中央銀行が大きな枠組みの中で管理する経済ではなく、一人ひとりが小さなお金の循環を生み出し、その集合体が経済として認識されるようになるかもしれません。
キャッシュレス化は、経済そのものの概念まで変える可能性があるのです。
次のページ
【 仮想通貨 】 「自治体コイン」のように 多様な仮想通貨が誕生する >
更新:11月24日 00:05