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キャッシュレス化で、「個人の価値が数値化される時代」がやってくる⁉

2019年11月22日 公開
2023年02月24日 更新

加谷珪一(経済評論家)

仮想通貨、ICO、クラウドファンディング……これから起こる大転換とは?

昨今、コンビニや飲食店を利用した際にスマホ決済を利用し、めっきり現金を持たなくなった方も多いだろう。経済評論家の加谷珪一氏は、今後はさらなるキャッシュレス化が進み、お金そのものの価値は下がっていくと予測する。価値観、ICO、仮想通貨……。これからのお金に関する変化をそれぞれのトピックごとに詳しくうかがった。

取材・構成 塚田有香

 

【お金の価値観】お金よりもアイデアや行動力が価値の高い資産になる

お金の価値は今、大きく変わろうとしています。極論を言えば、お金はそれほど大事なものではなくなりつつあるのです。

国の基幹産業が製造業だった頃は、設備投資に多額のお金が必要でした。しかし現在は、スマホが1台あれば誰でも新しいサービスを始められる時代です。

賃料の高いオフィスを借りたり、大規模な工場を建設する必要はありません。ほとんどお金をかけずに、誰でもアイデア次第でビジネスを始められる時代になったわけです。

そうなれば相対的にお金の重要度は低下し、お金を借りたい人が減るので金利も下がります。

それに伴い、「お金をたくさん持っている人が有利」という価値観も覆されようとしています。

金利が高かった時代は、お金持ちが1億円を銀行に預金しておくだけで、1年に数百万円の利息を得られました。しかし超低金利の現在は、リターンはほとんど期待できません。

一方で、大金は持っていなくても、月間100万PVのブログを運営できる人なら、広告収入などで月に数十万円稼ぐことも可能です。

ツイッターのフォロワーが1万人いるなら、有料のセミナーを開いたり、文章や作品をコンテンツとして販売すれば、一定数のフォロワーがお金を払ってくれるかもしれません。

そうなれば、この人たちは1億円を銀行に預けている人よりも大きな対価を得られます。

お金よりも、自分のアイデアを具現化できるノウハウや行動力、人脈の方がずっと価値の高い資産になる。そんな時代が間もなくやってくるのです。

 

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著者紹介

加谷 珪一(かや・けいいち)

経済評論家

1969年、宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BPに記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行なう。著書に『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)など。

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