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キャッシュレス化で、「個人の価値が数値化される時代」がやってくる⁉

2019年11月22日 公開
2023年02月24日 更新

加谷珪一(経済評論家)

仮想通貨「自治体コイン」のように多様な仮想通貨が誕生する

 

キャッシュレス化の流れに伴い、無視できないのが仮想通貨です。

2017年末から18年にかけてビットコインの価格が暴落し、国内の取引所がハッキングの被害に遭ったことから、「法定通貨ではない仮想通貨は、通貨としての価値は持たない」という論調が広まり、ビットコイン市場も下火になってしまいました。

しかし私は、条件が整えば、通貨として通用する可能性はあると考えています。通貨とは本来、国家が管理しなくても流通するものです。

確かにビットコインの価値は誰も保証していませんが、それでも国際的な決済や送金の手段として使いたいというニーズはあるし、海外の人たちは実際に使っています。

それは、仮想通貨にも利用価値があると認める人が一定数いるということです。

国や中央銀行が認めなくても、皆が「価値がある」と信用すれば、ただの紙切れでも通用するのが通貨です。

例えば政府でなくても、自治体が独自の仮想通貨を発行して、「北海道庁が価値を保証する“北海道コイン”です」といえば、皆が信用して一気に流通することもあり得ます。

「法定通貨に換算していくらか」という為替レートが安定すれば、PayPayやLINE Payにチャージされたお金を北海道コインに換金するといったこともできるようになるかもしれません。

こうしてキャッシュレスの世界で縦横無尽に等価交換できるようになれば、法定通貨とは別の「仮想通貨経済圏」が成立し、仮想通貨が「価値ある通貨」として流通を拡大する可能性は十分あると考えられるでしょう。

 

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著者紹介

加谷 珪一(かや・けいいち)

経済評論家

1969年、宮城県生まれ。東北大学工学部卒業後、日経BPに記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行なう。著書に『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)など。

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