2019年07月19日 公開
計数の管理は、過去の結果をまとめ、評価することに目的の1つがありますが、それ以外に計画面での重要性もあることを忘れてはなりません。
計画を考える時に、最初から売上目標に焦点を当て、「売上は前年の何%増し」とする目標の立て方もあります。しかし、企業の目的は多くの利益を獲得することですから、まず利益目標を決め、それを達成する売上目標を決めるほうが優れているといえるでしょう。
一定の利益目標を達成するために、いくらの売上を上げたらよいか。その計算をする時にも、この損益分岐点公式を応用して使うことができるのです。
もっとも、注意が必要な点もあります。
たとえば、計算の結果、現状の2倍を売れば、目標は達成されるという数字が出たとします。計算上はこれでよくても、売上が2倍ともなると、固定費が現状のままですむかという問題が生じます。
売上高が2倍になれば、現状の設備や人員では間に合わなくなるでしょうから、固定費の増大を招く投資や人の採用が必要になる可能性は高いでしょう。
以上のように、損益分岐点、およびその応用公式は有益なのですが、現状の設備など(固定費)が前提となっていますから、一定の範囲にのみ当てはまる公式と考えたほうがよいでしょう。
(『ざっくりわかる「決算書」分析』より抜粋・編集)
更新:11月24日 00:05