2019年06月27日 公開
2019年06月27日 更新
6月は株主総会シーズン。企業の「決算」に注目が集まる時期だ。だが、そもそも決算書のどこをどう見ればその企業の状況を正しく判断することができるのか、正しく理解している人はそれほど多くはないだろう。
経理の本としては異例のシリーズ60万部を発刊した『決算書がおもしろいほどわかる本』の著者として知られ、近著『ざっくりわかる「決算書」分析』にて決算書分析のイロハを解説した公認会計士の石島洋一氏に、決算書分析の「要点」について教わった。
決算書の分析で重要なのは、数字の大小だけでなく「率」を見ることです。
損益計算書には5つの利益(売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益)を始めとした各種利益や経費が掲載されていますが、それぞれの分析の際には、売上高を基準として計算されます。売上総利益も営業利益も、あるいは人件費や支払利息の多寡も、売上高を基準として判定されることが多いわけです。
そこで、売上高を100とする損益計算書を作れば、一挙に利益や経費の分析ができてしまいます。それが百分率損益計算書です。
何のことはありません。通常の損益計算書の横に、構成比の欄を設ければよいだけです。
表ではセコムと綜合警備保障(アルソック)の数字を例に挙げています。
両社の差をこのような形にしてみると、どこに大きな差があるか、はっきりします。
この両社はテレビCMに登場することも多く、知名度は抜群の会社です。日本の代表的な警備会社と言っていいでしょう。
しかし、やはりセコムが先行した影響は大きいのか、売上規模では綜合警備はセコムの4割程度しかありません。
ただ、実額だけを比較していたのでは、どちらが効率のいい経営をしているのか把握するのは難しいようです。そこで、売上高を100とした比率表で、比率に注目して比較してみましょう。
更新:11月24日 00:05