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協和「ハイテクに投資して、通販だからこその『御用達経営』を実現する」

2019年05月07日 公開
2022年10月25日 更新

【経営トップに聞く】堀内泰司(協和社長)

 

堀内泰司

 

アリババと組んで、巨大マーケット・中国へも進出

 ――海外進出もしていますね。

堀内 ここ数年のことで、前期(2019年1月期)は8.5億円ほどの売上げでした。中国でアリババと戦略的パートナーシップ契約を結んで、「天猫国際(TモールGlobal)」にショップを持ち、本格的に販売を始めています。現在は有力なKOL(Key Opinion Leader)に商品を紹介してもらっています。

 ――アリババと契約できた理由は?

堀内 原液が中国でも売れると見て、アリババ側から、1度来てほしいと言われました。アリババが持っているビッグデータを使いながら、これからどうやって売っていこうか考えている段階です。

 ――中国以外への進出は考えていますか?

堀内 台湾でもやっていますし、色々と考えていますが、中国のマーケットが非常に大きいので、まずは中国に注力したいと考えています。

 ――御社の特徴としては、社内制度がユニークなことも挙げられます。

堀内 社員が85名くらいしかいませんから、海外の展示会に行くのも自由にしていますし、子育てや介護をしなければならない社員もいるので、出勤時間も自由です。

 ――自由にしても、会社はちゃんと回る?

堀内 回ります。社員だから仕事をしてくれるわけじゃなくて、この仕事が好きだから仕事をしてくれるんです。愛着や想いがあれば、何も問題ありません。

 ――仕事に愛着や想いのある人ばかりが集まっている、ということですか?

堀内 当社は全員が中途入社なんです。「こういう仕事があるので、あなたにやってほしい」ということで、入社してもらっています。数々の大手化粧品メーカーから移ってきていて、今は、特に通販の経験がある人に入社してもらっています。

 社内では、お客様に貢献することだけが目的だということはよく話していますし、「これはお客様のためになるか」という議論も常にしています。「お客様の喜びが自分たちの喜びだ」というマインドを持っているのがプロだと思います。

 協和というのは、お客様の立場で忌憚なく議論をする場なんです。そのために席もフリーアドレスにして、ワイガヤができるようにしています。

 各プロジェクトチームのメンバーには、社内だけでなく、社外の人もいます。社内か社外かなんて関係ありません。社外の方がチームリーダーでも問題ありません。目的はお客様に貢献することだけで、他はすべて手段ですから。

 毎週月曜日の9時半から全社共有ミーティングをしているのですが、参加者の3分の1くらいは社外の方です。月次売上げなどの報告もしていて、すべてオープンです。個人情報以外に企業秘密なんてありません。

 当社のオフィスの入り口に掲げている文章の中に「知恵の協業」という言葉がありますが、要するにオープンイノベーションのことです。これも、創業以来、変わっていません。

 これからも、商品開発でも売り方開発でも、さらにオープンイノベーションを追求していきたいと思います。

 

《写真撮影:まるやゆういち》

著者紹介

堀内泰司(ほりうち・たいじ)

〔株〕協和代表取締役社長

1945年、長野県生まれ。一橋大学卒業後、68年に住友化学工業〔株〕に入社。77年、〔株〕協和に入社。97年、同社代表取締役社長に就任(現任)。98年、伊藤忠商事〔株〕、〔株〕ドールと合弁で〔株〕ケーアイ・フレッシュアクセスを設立し、同社代表取締役社長に就任。2004年、協和の通販事業『fracora』を本格始動。

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