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なぜ、日本人は英語を聞き取れないのか?

2019年02月19日 公開
2023年03月10日 更新

藤澤慶已(言語学博士)

 

発音のギャップを解消するには?

①口とあごの動きを変える

聞き取りができるようになる第一歩は、自分も子音を意識して発音してみること。自分の声で慣れてくると、聞き取り力もアップする。子音を意識した発音をするには、下あごと下唇の固定が重要。母音を発音するときはここが働くので、その動きを抑制するのだ。コツは口を「ウ」の形にややすぼめて発音すること。この口の形で「a lot of potatoes」と素早く発音してみると、下あご回りが動かず流暢な感じが生まれる。

 

②子音を強調するクセをつける

子音には「伸ばせる子音」と「伸ばせない子音」がある。「m、n、sh、th」など伸ばせるものは2倍の長さを出すイメージで発音しよう。「no」は「ンノォ」と「n」を強調、「shoes」も「シュ」の部分を長めに。一方、「伸ばせない子音」も「b、ch、t、v」など多数ある。こちらは発音する前に、それぞれの子音の口の形を作り、弾けるように強く発音する。「bill/check/tight/visit」といった単語の頭を強く発して口を慣らそう。

 

③レゾナンスを上げ、二重母音をやめる

日本人のレゾナンス(声の共鳴位置)は喉のあたりだが、英語圏では上あご、鼻近辺。子音を強調すればレゾナンスは上がるが、母音の発音にもひと工夫を。例えば「a」は「ェア」に近く、「o」は「ア」の口で「オ」と発音、「i」は唇を横に開かず弱い音で発声する。日本人が強調しがちな二重母音も、実際とはかけ離れている。「take」は「テイク」より「テク」に近く、「stair」は「ステ」に軽く「r」音を添えるのが正解。

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著者紹介

藤澤慶已(ふじさわ・けい)

言語学博士/音楽博士/LEC会計大学院教授

米国テネシー州立大学にて言語学博士号、南ミシシッピー州立大学にて音楽博士号を取得。音声学・言語学の見地から日本語と英語を比較分析、「藤澤博士のスピーチセラピーメソッド(FSTM)」を開発する。2004 年よりLEC 会計大学院教授、11 年より関東学園大学客員教授。著書に、『オドロキモモノキ英語発音 子音がキマればうまくいく』(ジャパンタイムズ)など。

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