2017年02月22日 公開
2023年04月06日 更新
英単語は、闇雲に丸暗記をしようとしてもなかなか覚えられるものではないし、覚えたところで「使える」ようにはならない。イングリッシュ・ドクターの西澤ロイ氏によれば、実は中学英語程度の基礎的な単語で、日常会話の8割はカバーできるという。にもかかわらず英語ができないのは、知っているはずの単語を真に理解し、使いこなしていないから。英単語を「深める」覚え方とはどういうことか。《取材・構成=石井綾子》
「私は単語力がないから英語が話せない」――そう考えて、まずボキャブラリーを増やそうと考える人は多いと思います。しかし、実は中学英語で習う1,000語程度で、日常会話の八割をカバーすることができます。
なぜなら、英語の基本的な単語は日本語よりも意味が広いからです。たとえば、「身につける」動作に対して、日本語だったら「服を着る」「帽子をかぶる」「ズボンをはく」などとたくさんの動詞が使われますが、英語ではすべて「put on」で表現できてしまいます。
つまり、ボキャブラリーを「増やす」必要がある人はそれほど多くはないのです。それよりも、既に知っている単語への理解を深め、使いこなせるようになれば短期間で英語が話せるようになります。
単語についての理解を「深める」には英語の感覚をつかむことです。そのためにはまずは学校で教わった学習法を手放すことが必要なのです。
学校英語では常に日本語に訳して理解することが求められてきました。要するに日本語のフィルターを持ったまま英語を見るということです。そうすると覚えることがどんどん増えていきます。覚えることが多すぎると、挫折の原因になります。
たとえば、leaveという動詞には「去る、出発する、残す、(置き)忘れる」などの意味があります。このように1つの単語につき、たくさんの日本語訳を覚えなければならないのが従来の学習法でした。
また「訳す=理解する」だと勘違いしている人も少なくありません。英語を見ると日本語に訳すクセがついてしまっているのです。
日本語で考えると、いろんな意味がありすぎてわけがわからなくなってしまいますので、これを日本語訳ではなく「感覚」でとらえなおす訓練をしましょう。
leaveは、「ある場所から離れる」という動作を表わします。どこかから離れることは、そこに残すことにもなる。だから「残す」とか「置き忘れる」ことも表すのです。このように感覚でとらえると、英語はすごくシンプルなものなのだとわかるでしょう。
「深める」べき単語は、品詞でいうと基本的な動詞と前置詞。前述したように幅広い意味がありますので、数十単語を理解するだけで、英語の世界が大きく開けます。基礎的な英単語は「覚える」のではなく、本来「感じる」べきものなのです。
更新:11月23日 00:05