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人手不足の時代に必須の「生産性アップ」のコツ

2018年12月10日 公開
2023年03月14日 更新

<連載>10年後も生き残るために明日からできる仕事のコツ(2) 河野英太郎(グロービス経営大学院客員准教授)

河野英太郎

コツ5 プライベートを分けない

 近年は、仕事とプライベートを切り分ける「ワーク・ライフ・バランス」の考え方が浸透してきています。しかし、生産性を上げ、かつ生活も豊かにしたいなら、「ワーク・ライフ・インテグレーション」のほうがいいと思います。

 ワーク・ライフ・インテグレーションとは、仕事とプライベートを区別するのではなく、フレキシブルにマネジメントしながら、仕事とプライベート、双方の質を高めようという概念。働く場所や時間を制限しないで、いつでもどこでも必要なときに働いたほうが、トータルで見ると仕事の負荷が小さくなる、という考え方です。

 例えば、朝起きたときや夜寝る前にもメールを確認して、必要なものにはすぐに返信する。「朝から晩まで仕事をしていたら、息が詰まるよ」と思うかもしれませんが、案外、そうやって朝も夜も対応したほうが、余計なトラブルを招くことが減って、トータルで見れば、仕事の時間が減り、プライベートの時間が増えると思うのです。

 仕事とプライベートをはっきりと切り分けたい人も、試しに切り分けるのをやめてみてはいかがでしょうか。意外と、仕事がラクになるかもしれませんよ。

 

コツ6 他の人に頼む仕事を優先

 生産性を向上させるためには、「着工から完成までのリードタイムを短縮すること」が大変効果的です。そして、リードタイムが長くなりがちなのが、他の人に仕事を頼むときです。

 人に頼んだ仕事が遅れるのは、実は頼んだ相手よりも、頼む側に問題がある場合が多いものです。その典型が、「自分の仕事を優先して、他の人に仕事を頼むのが遅れた」というケース。

 例えば、午前中にお願いしておけばすぐに対応してもらえたのに、午後にお願いしたら、その人が外出していて、翌日まで待たないといけなくなった。下手をすると、相手が休暇に入ってしまい、1週間待たねばならなくなってしまった……。こういうことが1件でも起こると、他の仕事にも悪影響がおよびます。

 また、相手が必ずしも自分の理想通りのスケジュールで仕事を仕上げてくれるとは限りません。

 他の人にお願いする必要がある仕事のことは、自分でする仕事よりも優先して考えるようにしましょう。

 

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著者紹介

河野英太郎(こうの・えいたろう)

日本アイ・ビー・エム部長/Eight Arrows代表取締役/グロービス経営大学院客員准教授

1973年、岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。〔株〕電通、アンダーセンコンサルティング〔株〕(現・アクセンチュア〔株〕)などを経て、日本アイ・ビー・エム〔株〕にて、コンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門リーダー、サービス営業などを歴任。2017年に〔株〕Eight Arrowsを起業し、代表取締役に就任。著書に、ベストセラーとなった『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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