人手不足の時代に必須の「生産性アップ」のコツ

コツ1　取引先への訪問をやめる

　営業など、外出が多い仕事をしている人の場合、勤務時間の多くを移動時間が占めていることでしょう。遠方の取引先への訪問だと、移動時間だけで半日～1日を費やすこともあるかもしれません。内心、「移動がなくなれば……」と思いながらも、「直接会わないと失礼に当たる」と考え、訪問を続けている人は多いと思います。

　しかし、実際のところ、「訪問してこないなんて失礼だ」と思っている取引先はどれだけいるのか。テレビ電話やパソコンの画面共有で十分だと考える取引先のほうが多いのではないでしょうか。

　今は、『Zoom』などの無料テレビ電話アプリも進化していますし、回線の通信速度が上がっているので、ストレスなくテレビ電話会議や画面共有ができます。ダメ元でも、取引先に提案してみましょう。何社か導入してもらえれば、それだけでも、1カ月で1日ぶんぐらいの時間を節約できるかもしれません。

　ちなみに、私が3年前に米国出張をしたとき、現地ではすでに、既存客への定期的なアプローチどころか、見込み客へのプレゼンにまで、テレビ電話を使っていました。しかも、見込み客に一度もリアルで会ったことがないということも珍しくありませんでした。

　日本でも、新規客の開拓にテレビ電話を使うのはアリだと思います。

コツ2　今の1分は明日の1時間

　知らず知らずのうちにムダな時間を増やしている悪いクセといえば、「仕事を後回しにする」ことです。

　今やればすぐに終わることを後回しにしたことで、時間のロスが生じていることは少なくありません。例えば、一度読んだメールにすぐに返信せず、後回しにすると、また読み直さなければならず、時間を余計に使ってしまいます。

　最も後回しにしてはいけないのは、クレーム処理。午前中に顧客から小さなクレームのメールが入ったとき、間髪入れずに電話をかければ、「まぁ、そこまで怒っていないよ」となって、1分程度で終わるかもしれません。しかし、夕方まで待たせると、相手をイライラさせてしまい、5分、10分と説教されるかもしれませんし、さらに、翌日になれば、相手の怒りは増幅し、1～2時間は対応するハメに。さらに翌週まで引き延ばせば、「上司を連れて謝りに来い！」となって、何日も費やすことになってもおかしくありません。1分で済むことに数日もかかると、とんでもないロスです。

　こうしたムダをなくすため、仕事は溜めずに、すぐにやってしまいましょう。