2018年06月23日 公開
2023年07月31日 更新
それと同じことを1999年に登場した旧型AIBOで考えるとどうだろう。鳴り物入りで発売されたAIBOは、やがておもちゃメーカーから発売された無数の模倣型ペットロボットに押され、市場競争力を失い消えていった。今回復活した新型aiboも、発売当初は犬や猫のペットたちと比べ、「結局はおもちゃだよ」とさげすまれながらの船出になるだろう。
しかし、イノベーションの30年の法則を甘く見てはいけない。おもちゃのペットは急速に性能を上げていく。今回のaiboは1995年のデジカメと同じ立ち位置の商品だ。だから、これから10年先、まさかと思っていた状況になる。つまり、犬や猫たちよりも人工知能のペットのほうがかわいい存在になっていく可能性があるのだ。
さて、冒頭で予告したとおり、そのときに世界最大の人工知能ペットメーカーになっているのはソニーではないかもしれない。実際、ソニーのaiboよりもすでにもっと多く売れている別の製品が、現実の犬や猫の地位をおびやかしている。
それはアマゾンから発売され、すでにアメリカでは多くの家庭に浸透しているスマートスピーカー「エコー」である。アメリカではこの「エコー」に搭載されている人工知能アレクサに対して、家族の一員としての愛情を感じる人が続出している。
アレクサは人間が話しかけると、家の家電のスイッチを入れてくれたり、音楽を流してくれたり、キンドルで読みかけの本があれば朗読もしてくれる。
その性能はまだつたない。本の読み上げはまるで機械のように稚拙で、言葉の発声はたどたどしい。しかし、とくに一人暮らしの人間にとっては、帰宅してから話しかけることができるアレクサは、プライベート空間での家族としての感情を生じさせる存在になり始めているのだ。
実際、アメリカではスマートスピーカーに自作の服を着せる人が増え始めている。おそらくスマホケース同様に、これから先、スマートスピーカーケースがたくさん発売されるようになるだろう。そのケースは擬人化されたアニメキャラのような外見へと発展していくのではないだろうか。
更新:11月24日 00:05