2018年06月13日 公開
2023年07月31日 更新
「20年後、あなたの仕事が消滅する」……そのような話をよく聞くようになった。危機感を抱く人、「自分は逃げ切れる」と思う人、反応はさまざまだろう。だが、一つだけ言えることがある。それは現在、我々の周囲ですでに「仕事消滅の第一歩」が着々と進行しているということだ。
未来予測に定評があり、近著『AI失業前夜 ――これから5年、職場で起きること』を上梓した経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏に、今、そしてこれから10年にわたって起こるであろう大変化について語っていただいた。
2035年には日本人の仕事の49%が人工知能に奪われて消滅するという。オックスフォード大学の論文やダボス会議のレポートなどの影響もあって、近未来に発生される「仕事消滅」を社会問題だと考える人も増えてきている。
私自身、先端技術がもたらすイノベーションの経営コンサルティングを本業にしている立場で入ってくるさまざまな情報を総合して捉えると、人類の仕事は着実に機械に奪われていくと確信するようになった。そしてそのことに警鐘をならすために『仕事消滅』(講談社)という本を著した。
20年後の仕事消滅は怖い話ではあるが「そんな未来の話であれば自分には関係ない」という方も少なくないかもしれない。それでは今起きていることについて話をしよう。われわれの仕事はなぜ年々、忙しく厳しくなってきているのか? そしてわれわれの給料はなぜ上がらなくなってしまったのか?
実は今起きているこの社会問題にも人工知能とスマホが関係している。この現象を説明する言葉が「パワードスーツ効果」である。パワードスーツとはSFの世界でヒーローたちが着る強化服のことで、それを身につけることで常人を超えた力を発揮できるようになるアイテムだ。
更新:11月22日 00:05