2018年06月12日 公開
2023年03月14日 更新
6月14日から、サッカーワールドカップがロシアで開催される。日本も6大会連続で出場。お酒を片手に、テレビで観戦する人も多いだろう。ビールもいいが、せっかくのロシア大会なので、この機にウォッカを飲んでみる、というのはどうだろうか。1994年からロシア産ウォッカの輸入販売を手がけている遠藤洋子氏に、ウォッカの楽しみ方を聞いた。
日本人にはあまり知られていないかもしれませんが、ワインなどと同様、ウォッカにもさまざまな銘柄があります。その数は、なんと5,000以上といわれています。
日本でも世界でも、最もよく飲まれているのが、米国の『スミノフ(Smirnoff)』です。ロシア革命時に亡命した、時のウォッカ王スミルノフ(Smirnov)家が西欧や米国にウォッカの製造技術をもたらし、それに注目した米国企業が生産を始めました。
ロシアのものでは、『ストリチナヤ』、『モスコフスカヤ』、『ストロワヤ』などが、ソ連時代からの伝統銘柄として有名です。
ウォッカは、小麦やライ麦から作ったお酒で、基本的な製造工程は次のとおりです。
・発酵
・連続蒸留によって約96%のエチルアルコールを作る
・加水してアルコール度数を約40%に調整
・濾過
・微量の添加物で風味をつける
銘柄によって、発酵に使う酵母や蒸留の際に残る不純物、加える水の質、濾過に使う素材(一般的には白樺の活性炭)や濾過の仕方、添加物などが異なり、これらが風味の違いを生んでいます。
ロシアでは、エチルアルコールは国家の管理下にある蒸留所で製造され、GOSTという国家規格によって厳格に等級が定められています。不純物が少ないほど品質がいいとされています。
国外に輸出されているウォッカには、最高級の「リュクスクラス」か、その次の「エクストラクラス」のエチルアルコールが使われています。
各ウォッカメーカーは、自社が作りたいウォッカに合うエチルアルコールを蒸留所から仕入れて、ウォッカを製造します。
香辛料や果実などで風味をつけたフレーバードウォッカにも、数多くの銘柄があります(現在のロシアでは、「辛口浸酒〈ナストイカ・ゴリカヤ〉」として、ウォッカとは区別されています)。
日本で一番人気のフレーバードウォッカは、赤唐辛子や黒胡椒などを浸けこんだ『ペルツォフカ』。トマトジュースで割るだけで「ブラディメアリー」というカクテルが作れます。
更新:11月22日 00:05