2018年03月05日 公開
2018年03月05日 更新
裕福な家庭の女子高生。なぜか勉強は庭の芝生の上。
ドアなしトイレの邸宅は、いまだ工事中。
毎日、黒人の職人さんが細かな仕上げにかかっていますが、その真面目な働きぶりほど、細部に神が宿っていません。
多くの建築家が一度は頭に浮かぶけど常識的に実行できないドアなしトイレは、イグ・ノーベル賞をいただきたい偉業ですが、そんなことは一切関係ない職人たち。
いつものように、重箱の隅には手をかけない愛のないクオリティです。
完成前にして、問題が噴出しています。
すでに開きにくくなった、歪んだドア。
作風かと思うくらい、自由奔放なペンキの塗りムラ。
大きく欠けたコンクリート。崩れたブロック。
新進気鋭の邸宅は、心のこもらない工事により、生まれる前から日々壊れています。
昨日から、巾木(はばき)を取り付けています。
そのうしろ姿は、1ミリの誤差も許さないといった気概が背中にみなぎっていますが、よくよく観察すると、壁の凸凹を無視して糊付け。
これはしかし職人の性格が大雑把というより、親方の指示がない限り、たとえそれがどんなに正しい行為であっても勝手は許されないといった、ゼロ裁量労働制によるものに違いありませんし、かれらにとっては、品質の向上という言葉は、美味しいかどうかすらもわからないのです。
貼り付けた瞬間から斜めになっていた巾木は、翌日剥がれ落ちてました。
モダンに追いつく技術なしというか、デザインを活かす心なしというか、邪心に満ちた設計を汲み取る気のない職人。
ピアノの鍵盤のようには補い合うことのない、エボニー&アイボリーです。
更新:11月26日 00:05