2018年02月27日 公開
2023年05月17日 更新
連載第1回にて、「大企業に勤めていれば安心」という考えがいかに幻想であるかを解き明かした船ヶ山氏。誰もが新たなビジネスを考える時代に来ているが、そのためにはまず、従来の常識を捨てなくてはならないと説く。それは「商品」に対する誤解だ。
時代は、変わりました。
一昔前のビジネスにおける成功法則は、「いい商品さえ作れば売れる」が常識で、とにかく技術や品質にさえこだわっていればよかったわけですが、今は、いい商品など当たり前で、それだけでは1円の価値にもなりません。
その証拠に、あなたのライバルは、粗悪な商品を扱っているでしょうか。
もちろん、多少の物言いはあるにせよ、お客からしたら違いなどわかりません。ということは、もはや、いい商品だけで勝負することなどできない領域にまで来ているということなのです。
そもそも、今の日本では百円ショップの商品の品質すら世界から見れば群を抜き、安いから粗悪品ということもありません。
では、今後のビジネスをどのように展開していけばいいのか。それは、ビジネスにおける根源的要素をもう一度、振り返ることです。そこにこそビジネスを勝ち抜く秘訣が隠されています。
それを公開する前に、質問です。あなたは、街中で突然声をかけられた見ず知らずのホームレスの人から、ミネラルウォーターを買うことはありますか?
このミネラルウォーターは有名メーカーの出しているもので、賞味期限内であり、かつ、封もしっかりと閉まっているとします。
さらにその人は、迷っているあなたに追い討ちをかけてきます。
「半額の50円でいいよ」
このとき、あなたはどうしますか?
それでも大半の人は、「速攻で断る」はずです。
なぜなら、その商品がいかにいいものであっても、それを扱っている人を信用することができないからです。
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「いいもの」よりも「誰から買うか」が問われる >
更新:11月21日 00:05