2018年02月27日 公開
2023年05月17日 更新
では、もう一つ質問です。
あなたに、30年以上もお世話になっている恩師がいたとします。困ったときにはいつも助け舟を出してくれ、貧乏な頃には何度もご飯をご馳走してくれた、自分の人生にとってかけがえのない存在です。
その恩師があるとき、「理由を聞かずに50万円用意してくれないか」と言い出しました。
このとき、あなたはどうしますか。
「そんなお金など用意できるか!」
と断るでしょうか。
それとも黙って現金の入った封筒を差し出すでしょうか。
もちろん、その恩の深さにより変わるでしょうが、おそらく多くの人は、理由を聞かずにお金を差し出し、しかも、そのお金を返してもらおうとも思わないはずです。
なぜなら、50万円以上の「恩」があなたと恩師を繋いでいるからです。
ただ、おかしいと思いませんか。見ず知らずの他人のときは、いい商品でかつ半額にもかかわらず秒速で断ったのに、恩師のときは、理由すら聞かずにお金を差し出してしまう。
ここにこそ、今回のテーマの真髄が隠されているということです。
それは『信頼』です。
いい商品に溺れる人は、このビジネスの根源でもある信頼を軽視する傾向があります。しかし、今回の事例を見てわかるように、いい商品を扱い値下げしたところで「信頼がない人からは商品を買わない」ということなのです。
このように言うと、「極端な例を出せば、そりゃそうでしょ」と言う人がいますが、そうではありません。極端に言わないと、こんな大切なことすらわからなくなっている人が、この世の中には溢れているということです。
だから、このような例をあえて出したわけですが、これは今後どんなに技術が進歩し便利な世の中になったとしても変わることはありません。
なぜなら、ビジネスを支える根源は「信頼」に勝るものはないからです。
更新:11月22日 00:05