2017年07月18日 公開
2023年08月07日 更新
写真:photolibrary
変化の激しい時代において「そもそも何を勉強すべきなのか」という悩みもあるだろう。500以上の資格を持つ鈴木秀明氏に、今ビジネスマンが学んでおくべきことと、関連する資格について教えていただいた。《取材・構成=塚田有香》
スキルアップを目指す際に重要なのは、「自分が身につけるべきスキルは何か」を見極めること。「ビジネススキル」と言っても、その内容は多種多様です。
「将来は経営層を目指したい」という目標があるなら、そのために必要なスキルは何かを考えてみる。あるいは「この会社にはコンプライアンスのプロが少ないから、自分がスキルを身につければ重宝されそうだ」というように、組織のニーズから逆算して考えるのもいいでしょう。限られた時間で効率的に勉強し、自分の市場価値を高めて組織に必要な人材になるには、スキルアップも戦略的に取り組む必要があるのです。
このように、基本的には自分が目指すキャリアやビジョンに合わせて身につけるスキルを選択するのが良いと思いますが、それでも「現在のビジネスシーンで求められるスキル」にはある程度の傾向が見られます。
近年は、「会計」「英語」「IT」は、ビジネスマンの「三種の神器」のスキルとされています。ただ、実際にこの三つを高いレベルで身につけている人は少ないので、これらのスキルをしっかり勉強するだけでも、他の人たちと差別化できるはずです。
それに加え、管理職やリーダーは、「経営学」「経済学」「知財リテラシー」「メンタル管理力」「モチベーション管理力」の勉強をお勧めします。上に立つ人材になるには、マクロな視点に立った知識・教養やチームを運営する能力の習得が不可欠だからです。
身につけるべきスキルを見極めると同時に、最短で効率的にスキルアップできる勉強法を選択することも重要となります。
私のお勧めは、資格試験や検定を活用する方法です。
資格試験には「何をどう勉強すべきか」の指針があります。「会計を勉強しよう」と思った時、とりあえず簿記検定のテキストを読んでみれば、勉強すべきことが体系的に整理されているので、具体的な学習計画が立てやすくなるはずです。
問題集が揃っているのも資格試験のメリット。どんな学習も、ただ専門書を読むより、問題を解くことで理解が深まります。
資格や検定は、ベンチマークとしても役立ちます。漠然と「英語力を高めたい」と考えても、具体的に何ができれば良しとするのかを決めるのは難しいもの。そこで「今年十月のTOEICで六百点を取る」といった目標を設定すれば、目指すべきレベルと期限が明確になります。
仕事で新しい技術や知識が必要になった場合も、資格試験を活用すれば、いち早くその道のプロになれます。日本では世の中の動きを反映する資格が次々に誕生していて、最近なら3Dプリンターやマイナンバー、IoTやドローンに関する資格・検定が注目されています。最新の資格を他の人に先駆けて取得すれば、その道の第一人者として評価されるでしょう。
自分の仕事に関する資格だけでなく、顧客や取引先の業界に関する資格の勉強も役立ちます。
たとえば、「銀行業務検定」は金融機関で働く人のための試験ですが、一般企業で経営層を目指す人や財務担当者が勉強すれば、「銀行はどんな基準で融資先を決めるのか」といったお金を貸す側の事情を知ることができます。すると「銀行から融資を受けるにはどうすればいいか」もわかるので、銀行と商談する際も、相手と同じ土俵に立って有利に振る舞えるわけです。
以下に、40代に有用なスキルと関連資格を詳しく解説しますので、ぜひ戦略的スキルアップの参考にしてください。
更新:12月10日 00:05