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これから10年、伸び続ける業界&沈む業界[後編]

2018年01月23日 公開
2018年01月25日 更新

岩崎日出俊(経営コンサルタント)、水野 操(ニコラデザイン・アンド・テクノロジー社長)

 

今の小学生の6割は現存しない仕事に就く

 技術革新が加速する中、新しい仕事が作り出されるスピードも、かつてないほど高まっている。岩崎氏も、こんな仮説を紹介してくれた。

「ニューヨーク市立大学大学院センターのデビッドソン教授は、著書の中で『2011年に小学1年生になる子供たちの65%は、今は存在していない仕事に就く』と述べています。確かに、ここ10年ほどを考えてみても、ウェブデザイナーなんて職業は少し前まで存在しなかった。でも、インターネットが普及した今は、大勢の人がこの仕事に就いています」

 もちろん、これは裏を返せば、今ある仕事の多くが消えていくということでもある。これを「自分の仕事もそのうちなくなるのか」とネガティブに捉えるか、「時代に応じて必要なスキルや知識さえ身につければ、新しい雇用のチャンスはいくらでもある」とポジティブに捉えるかで、その人の未来は変わって来ると言えるだろう。

岩崎氏も、「今は誰もがリスクに直面しているが、別の見方をすれば、誰にとってもチャンスは訪れる時代が来ている」と話す。

「あるテクノロジー系の大企業の役員は、『能力の高いエンジニアほど、もっと良い職場を見つけてどんどん転職していく』と話していました。実際、優秀なプログラマーとそうでないプログラマーでは、生産性に100倍も差があるそうです。それでも、その役員は『こちらも優秀な従業員は、2年くらいで辞めると覚悟して採用する。それでも、優秀ではない人を長く雇う以上の成果を十分出してくれるから』と話していました。それくらい必死で優秀な人材を雇わないと、競争に負けてしまうという危機感を会社側も持っているということです。

 これはつまり、会社に滅私奉公する時代は終わったということ。実際にすぐ転職するかどうかは別として、他でも通用する能力を磨き続けなければ、会社から必要とされなくなります。40代からプログラミングを学んだって、決して遅くない。大事なのは、自分を変えていこうとする意識を持つことです」(岩崎氏)

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