2018年01月23日 公開
2018年01月25日 更新
環境の変化や技術の進歩などで、今後必要がなくなる職種・スキル、逆にニーズが高まる仕事とはどのようなものだろうか。そして、40代ビジネスマンは今から何を心がければよいのか、岩崎氏と水野氏に引き続き話をうかがった。
前編にて、今後10年間の日本経済と各業界について予測してきた。では、これらの変化は個人の仕事や働き方にどのような影響を与えるのだろうか。
岩崎氏は、こんな研究結果を紹介してくれた。
「2015年、野村総合研究所はオックスフォード大学でAIの研究に携わるオズボーン准教授たちと共同研究を行ない、『日本に存在する601の職業のうち、49%が人工知能やロボットに代替される』と試算しました。つまり、現存する職業のほぼ半分がAIなどに取って代わられるということです。
とくに代替可能性の高い職種としてリストアップされた仕事のうち、目立つのが一般事務員や医療事務員などの『事務員』。要するに、机に座って事務作業をしているだけの人は、今後コンピュータに置き換わるということ。また、銀行の窓口係やスーパーの店員など『販売・接客』の職種も多く含まれています」
前編で「AIは脅威ではない」と話した水野氏も、「もし完全にテクノロジーに置き換えられるとすれば、極めて単機能の仕事しかしていない人だろう」と話す。よって、「毎日データ入力だけをしている」「毎日レジ打ちだけをしている」という人がいたら、確かに10年後は自分の仕事はなくなっている可能性が高い。
だが、「こうした変化自体は、AIが登場する以前から常に起こってきたこと」と水野氏は指摘する。
「昔のオフィスでは、皆が紙と鉛筆で仕事をしていました。もちろん今より作業の手間がかかるので、資料を作るにしても『調べもの担当』『手書き担当』『ワープロで仕上げる担当』など、複数の人が作業を分担していたわけです。でも、パソコンやネットが普及したら、これらを全部1人でできるようになった。つまり、いつの時代も個別の作業はテクノロジーにどんどん置き換わってきたわけです。
ただ、いくら作業が人間以外のものに置き換わっても、そのテクノロジーを使いこなす人間は必要です。前述のとおり、万能と思われがちなAIでさえ、現時点では一つの作業に特化している。つまり、現在AIと呼ばれるものは、『人に使われることが想定されているAI』だということを理解すべきです」(水野氏)
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更新:11月25日 00:05