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偏差値30から税理士合格!「2割引き」勉強法

2018年02月28日 公開
2023年03月23日 更新

石川和男(税理士/社会保障経済研究所代表)

「忘れる」のは当たり前!その日のうちに反復を

着手後に苦しむポイントと言えば、やはり「なかなか頭に入らない」ことでしょう。しかし、気にすることはありません。なぜなら、それが当たり前だからです。

有名な「エビングハウスの忘却曲線」によると、人間は、情報を認識した20分後に42%、1時間後には56%、1日後には74%も忘れてしまいます。ですから、なかなか覚えられなくても気にしないこと。それよりも、繰り返し反復することが大事です。3回覚えてダメなら5回、5回でダメなら10回。「勉強は復習が八割」と心得ることが、継続と進歩の秘訣です。

朝に覚えたことは、その日のうちにもう一度おさらいしましょう。通勤の時間は、大いに有効活用できそうですね。通勤は、時間のリミットが決まっているのもよいところ。あと10分で電車を降りなくては、というプレッシャーが集中力を高めます。その意味では、勉強の際はいつも「10分」「30分」「1時間」といった時間制限を設けると良いでしょう。

いずれの場合も「完璧に理解してから進もう」とは思わないこと。理解できなければとりあえず覚えておくだけでいいのです。その先で知識が深まれば、自然と理解できるようになります。「わからないから進めない」という思い込みは時間のムダを招きます。

 

スキマ時間活用の三つの極意とは

多忙なビジネスマンにとっては、「スキマ時間」をいかに活用できるかも勝負どころ。その極意は、三つあります。

一つは、事前にやることを決めておくこと。今日は何を覚えようか、どのテキストを開こうかと悩んでいたら、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

二つ目は、スマホの電源はオフにするか、音が出ないようにしておくこと。着信音が鳴るたびに注意をそがれてしまい、これまた時間のムダになります。

三つ目は、オーディオブックをフル活用すること。「耳で覚える」学習は、通勤電車内や移動中に最適です。既存の音源がなければ、自分でテキストを読み上げた音声を録音した「自家製」でもOK。1.2~1.4倍速で聴けば、それだけスピーディにインプットできます。

さて、これらすべての工夫を「継続させる」には何が必要でしょうか。継続を阻む最大の原因は「飽き」です。飽きずに勉強を続けるためには、「目先を変える」工夫を随所に取り込むのがコツ。たとえば、私が税理士試験の勉強をしていたときは、「簿記論」に飽きたら「財務諸表論」をやるなど、科目を変えることで変化をつけるようにしていました。

場所を変えるのも良い方法です。家での勉強に飽きたらカフェや公園に行って勉強すれば、気分もリフレッシュできます。

また、一人では集中力が続かないという人は、仲間を見つけて一緒に頑張るのも良い方法。競争意識が推進力になりますし、疲れたときも励まし合えます。 

このように、勉強はロールプレイングゲームのように、あの手この手で目的を攻略する営みであることがわかります。ゲーム感覚で行なえば、決して「苦行」にはならないでしょう。

 

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著者紹介

石川和男(いしかわ・かずお)

税理士/専門学校講師

1968年、北海道生まれ。建設会社の経理部に勤務中の30代から勉強を開始、日商簿記3級を皮切りに、建設業経理事務士1級、税理士と数多くの資格を取得。現在は税理士、大学・専門大原簿記学校講師、建設会社総務経理担当部長を務める他、セミナーや講演でも活躍。著書に、『人生逆転! 1日30分勉強法』(三笠書房)などがある。

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