2018年02月14日 公開
2023年09月29日 更新
超難関の京都大学法学部に現役で合格し、クイズ番組で大活躍しているお笑い芸人といえば、ロザンの宇治原史規さん。その勉強法は凡人にはマネできないように思えるが、高校時代からの友人であり、『身の丈にあった勉強法』著者でもある相方の菅広文さんによれば、誰にでも応用できる勉強のコツが詰まっているという。二人に話を聞いた。《取材・構成=杉山直隆、写真撮影=長谷川博一》
高校時代から宇治原さんを間近で見ていた菅さんは、当時から勉強に関しては宇治原さんには敵わないと思っていたという。
菅 とにかく異常な受験の鬼でしたから。京大を受験する前は、毎日何時間勉強していたんだっけ?
宇治原 毎日11時間していました。11時間なら、毎日続けられるじゃないですか。あまり自分を追い込んではいけないので、楽にできる範囲内に抑えていました。
菅 ね? ちょっとおかしいでしょ(笑)。毎日11時間なら楽に勉強できる、なんて言うのは、宇治原くらいですよ。
宇治原 まぁ、事実ですからね。こう言うと、また好感度が下がるな(笑)。
ただし、宇治原さんの勉強法については参考になったという。
菅 勉強のやり方について、「なぜこういうふうにやっているの?」と聞くと「こういう理由でやっている」と必ず説明できる。そして、それが、理にかなっているんですよね。逆に言うと、理由を説明できないことは、一切やらない。
宇治原 意味のないことをするのがめっちゃ嫌いなんです。たとえば、ノートや教科書を、いろんな色のマーカーを引くなんて、まずしません。色分けするとかえって見にくくなるし、「この場合はどの色だっけ?」と考えるのが時間のムダです。
菅 要するに、「勉強している風のこと」を一切しないんです。マーカーを引くと、勉強した気になって満足するけど、それが点数に結びつくかというと、そうじゃないから、しない。
宇治原 勉強の意味を一つひとつ考えずに取り組んだら、正しい努力はできません。勉強というと、がむしゃらにやる人がいますけど、そうやって、やったつもりになるのが一番危険です。もし、今何か勉強しているのなら、今の勉強法に意味があるのか、立ち止まって考えたほうがいいと思います。
では、今の勉強法を見直すためには、何をすれば良いのか。まずは目的をはっきりさせることが大切だと二人は言う。
宇治原 受験勉強の場合は、「合格」というわかりやすい目的がありますが、ぼんやりと「合格」を意識するだけでは、まだ足りないと思っていました。
そこで、京大の合格最低点を調べたうえで、少し上回る点数をゴールに設定。過去問をチェックして、どんな勉強をすれば合格点に届くかを考えました。ここまでしないと、「この勉強はなんのためにしているか」がわからず、集中できませんから。
菅 これはまったく同感です。今でも、「目的を考える」ことは強く意識しています。今、関西で、観光旅行に来た外国人の方を英語で道案内する番組をやっているんですけど、僕は英語が得意ではありません。だから、英語を勉強することも必要なんですけど、実際は、英語よりも日本文化や日本史の勉強に時間を割いています。
なぜかといえば、外国人の方は皆、日本の文化を知りたがるからです。僕が英語を使う目的は、相手が知りたいテーマで話すことですから、日本文化を学ぶ必要があると思ったのです。
次のページ
知識を自分のものにする「エアー授業」とは!? >
更新:11月22日 00:05