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凝った資料が質を下げる!? ムダのない資料作成のコツとは?

2017年11月30日 公開
2023年03月23日 更新

清水久三子([株]AND CREATE社長)

 

目的に合わないツールがムダを生む

「作る必要のある資料」に関しても、多くのムダが発生しています。その原因の1つは、目的とツールが合っていないこと。

 代表的なツール、「ワード」「エクセル」「パワーポイント」について考えてみましょう。

 ワードは図や表も作成できますが、基本は文章作成用のソフト。ですから、報告書作成に適したツールといえます。

 対して、エクセルは表計算ソフト。したがって、説明文やグラフを伴う文書を作る用途には適していません。エクセルを使う人は、セルの幅を調整したり結合したりして自分なりのフォーマットを持っている場合が多く、訂正が必要になったときに他の人が作り直そうにも入力方法がわからない、となることもよくあります。こうした「メンテナンス」の難しさも、余計な手間暇のもとです。

 一方、パワーポイントはプレゼンテーションソフト。もともとは「ビジュアルエイド」という名称で開発されたもので、言葉による説明を「ビジュアルで補助(エイド)する」ことが目的。つまり、キーワードやイメージを見せるものであり、文章を書くには向いていません。

 ですから、プレゼン資料のパワーポイントに長文を書き込むのはムダ作業。会議の場で、受け取り手がパワーポイント内の文章を黙読してしまって、本来聞かせるべき話に集中してもらえなくなり、伝えるべきメッセージが届かないこともあるのです

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「カッコいい」グラフはムダの代表! >

著者紹介

清水久三子(しみず・くみこ)

〔株〕AND CREATE代表取締役社長

お茶の水女子大学卒業後、大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現・IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、新規事業戦略や人材開発などのプロジェクトを推進。これまでに延べ7,000人のコンサルタントやマーケッターを育成。2013年に独立し、法人研修やセミナー、個人指導も行なう。近著に、『外資系コンサル流「残業だらけ職場」の劇的改善術』(PHP研究所)。

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