2017年11月30日 公開
2023年03月23日 更新
日本のビジネスマンは、作らなくてもいい資料を「念のため」に作ったり、社内会議なのにプレゼン資料のような立派な資料を作り込んでしまう傾向があるという。そこには大いなるムダがあり、かえって資料の質を下げていることも。そこで、清水久三子氏に、外資系企業も実践するムダのない資料作りのコツをうかがった。
資料作成という作業は、良くも悪くも「頑張った感」を覚えさせるものです。図や表を多用した資料は立派に見えますし、そうしたビジュアル効果を高めるツールも多くあります。
しかし、それらが職場における「ムダ資料」の量産を招いていることもまた事実。凝った資料を作るために時間をかけ、その実、「何が言いたいのかわからない」資料ができあがる、といったことも起こりがちです。 そのデメリットは、作り手の時間のムダだけではありません。資料自体も情報過多でピントが曖昧になり、相手に読ませる時間が長くなるわりに次の行動決定にはつながらない──といった、ムダの連鎖が起こります。
このような情報過多の分厚い資料を作るのは日本企業の悪しき伝統ともいえます。日本のビジネスマンは、今後、資料は、「頑張って作る」ことよりも、「ムダなものは作らない」ことを念頭に置くべきでしょう。
そこでまず、考えるべきは、「そもそも資料を作る必要があるのか」ということです。
それを検討する基準は2つあります。1つは、「口頭ですむのでは?」というポイント。会議の席で話されるすべての情報に資料が必須なわけではありません。わざわざ用意して読み上げるより、口頭で伝えてメモを取ってもらえば十分なケースも多々あるはずです。
2つ目のポイントは、「資料が必要な段階かどうか」という点。
たとえば、自由に意見を交わし合うブレストの段階で、緻密にまとめ上げられた資料は必要ありません。こうした場面で役に立つのは、参考になりそうな雑誌の切り抜きやウェブページのプリントアウトなどです。それらの「生データ」をわざわざ転記して分析し、資料にまとめ上げてしまうと、情報が間違って加工されたり、自分のフィルターがかかって、ミスのもとにもなりかねません。
更新:11月25日 00:05