2017年11月14日 公開
2022年10月25日 更新
スマートフォンやタブレットが生活の一部と化した現在、企業にとって、WEBサイトやWEB広告はユーザーと出会うための貴重な場となった。膨大な情報が溢れる中で、どのようなサイトや広告がユーザーに届き、刺さるのか。それを提案・解決するのがカイゼン プラットフォームだ。カイゼン プラットフォームの最大の功績は、国内外で5,000人を超えるグロースハッカー(サイト改善者)を、その名のとおりプラットフォーム化した点である。創業者の須藤憲司氏は、元リクルート最年少執行役員。ある若者との出会いで強烈な直観を得て独立起業し、どんな局面でも持ち前の「とりあえずやってみる」精神で事態をプラスに転じ、事業を拡大してきた。その経営論をうかがうインタビュー、後編。
――現在では5,000人以上のグロースハッカーが登録する一大プラットフォームに成長されたわけですが、0人から5,000人に至るまでの道筋をお聞かせください。
須藤 最初は、WEB制作会社に電話をして、登録してくれませんかと営業をかけるところから始めました。「仕事が暇なときや空いている時間に、カイゼンの仕事をしませんか」とご提案したのです。その結果、約130社が登録してくれました。
これで、「空いてるときにやります」という人たちは確保できましたが、これでは不安定で、大きな仕事がとれない。困ったなと思っていたときに、あるものに目をつけました。
――あるものとはなんでしょうか。
須藤 2013年3月に創業して、7月にサービス開始、グロースハッカーの人たちに登録してくださいとお願いし始めたのが10~12月頃だったのですが、その翌年の3月に、安倍首相の国家戦略特区構想が発表されたのです。
その中で、福岡市が「創業特区」を目指したいと言っていました。要は、起業する人たちを応援したい、ということ。
そこで僕らは福岡へ出かけて行き、「自分たちがやっていることは、新しい働き方につながります。導入すれば、きっと起業する人が増えますよ」とプレゼンをしたのです。
まだなんの実績もないのに「福岡でグロースハッカーというネットワークを作って、東京から仕事を出します!」というプレゼンをしたわけです(笑)。
――人がいなければ仕事がとれないし、仕事なければ人がいても意味がない……そんなジレンマを抱えながら、どんどん動かれるのがすごいです。絶対上手くいくという確信があったのですか?
須藤 確信はないです! しかし、やってみればいろいろわかるので、とりあえずやってみる。そして、わかったことがあれば改善する。僕はいつもそうしてきました。
まったく新しいことをやるベンチャーは、火のないところに煙を立てることがスタートだと思います。
火のないところに煙を立てて、それがパチパチいい始め、実際に火が起きる。それが少しずつ大きくなると、だんだん人が集まってきて、最後は、大きな火の周りをたくさんの人が囲むキャンプファイヤーが出来上がる。そんなイメージです。
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更新:11月26日 00:05