この状態に陥ってしまった人に必要なのは、「仕事の仕方」を根本的に見直すことだ。
「金曜日の夜の時点で、体力に余力を残すことを目標にしてください。つまり、平日に疲れを蓄積させないことが鍵なのです」
そのための方策は、吉越氏がトップとして社員に指導した方法と一致する。残業ゼロ、朝時間の有効活用、そして、すべてのタスクにデッドラインを設定して時間内に終わらせるべく、集中することだ。
「ここはリーダーの責任が問われる場面でもあります。『帰りづらい雰囲気』を作っていたり、明らかに疲労の見える部下を見すごしたりするのはもってのほかです」
まずは自分の身の周りから、「休める職場」を作っていくことを勧める吉越氏。
「部下に指示する際には明確に期限を設定し、わき目もふらずに仕事をさせる。そして定時の業務終了を徹底する。こうしてさっさと仕事を済ませ、夜や週末はリラックスやリフレッシュに使うことを勧めます。
これを徹底すれば、自身とチームメンバーの心身を整え、仕事の成果をますます磨き上げることにつながるでしょう」
妻との「本生」を楽しむべく、現在も休暇を満喫する吉越氏。吉越氏は、ちまたで「余生」と言われる60代以降の人生を「本当の人生」という意味で「本生」と呼んでいる。「ほんせい」と読みそうになるが、語呂がいいので「ほんなま」。「いくつになっても艶めかしく!」というメッセージもこもっているという(笑)。写真は妻と友人らとともに、フランスでのショット。
《『THE21』2017年12月号より》
更新:11月25日 00:05