当時、40代だった吉越氏がもうひとつ実践していたのが、「8時間睡眠」だった。
「これも『質の高い仕事』を追求した結果です。それには早朝から仕事を始めて早く寝ることだ、と気づいて始めたこの習慣は、現在も続いています。社員にもきちんと寝るよう口を酸っぱくして言っていました」
休息を重視する意識は、社長を退いた今も変わらず──というより、むしろ高まりつつある。
「年齢を重ねれば身体は変わるもの。早くから身体を整える重要性をいよいよ強く感じます」
そんな吉越氏の欠かせない習慣が「ストレッチ」。起床時や就寝前はもちろん、テレビを見ている時間や読書中など、機会を見つけては行なっている。
「おかげで腰痛が解消しました。毎年のフランス滞在中は必ずゴルフを楽しむのですが、週3回という頻度も、全コース徒歩移動というハードな行程も、なんのその。肥満とも無縁です」
ちなみにこのストレッチ、指導者に教わったものではなく、自ら考案したものだと言う。
「骨盤を立てること、肩甲骨を締めることを意識しながら、開脚したり腕を伸ばしたり。単純な動きですから、誰に教わる必要もありません」
このように、働く人は身体のメンテナンスを「自ら考え実践する」意識を持つべきだと語る。
「30代、40代と年を重ねて体力が落ちてきたにもかかわらず、『いいマッサージ屋さんはないものか?』と他力本願なことを言う人が多いですね。自主的・積極的に考えれば、もっと簡単な改善法が目の前にあるはず。
ちなみにユニクロの柳井正さんも、お風呂で1時間ストレッチをするそうです。自分の身体に合った方法を自ら考え実践するのは、結果を出すビジネスマンの共通項と言えます」
更新:11月22日 00:05