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無料と言いつつ請求する「トーゴ流営業術」(トーゴ)

2017年08月03日 公開
2023年05月16日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(24)石澤義裕(デザイナー)

なぜ命令口調!? 高飛車なトーゴのガイド

国境で、世知辛い洗礼を受けました。

どこからともなく人相の悪い連中が近寄ってきて、怒鳴るわ、窓を叩くわ、鬼気迫るわ。

それぞれが手を上げて、腕を振り、指を指し

「ストーーーップ!」

「いいから、ここに止まれ!」

「ここだって、ここーーーーーっ!」

「駐車場は、ここだって!」

「オフィスは向こうだから、こっち来い!」

「いいから、とにかく止まれって!」

「話、聞いてんのか?」

「英語か? フランス語か?」

「案内してやるからっ」

「俺について来い!」

「心配するなっ!」

「こっち来いって!」

「いい加減に、止まれっ!」

手続き代行、道案内、助言、その他なんであれ、およそお金になりそうにないことでもお金に変える、錬金術師たちです。

笑顔はゼロ。逆に愛想笑いを浮かべているのは、雰囲気に圧倒されたボクら。

彼らの営業は、説得でも提案でも懇願でもなく、単なる命令です。

ついうっかり「ウイ」なんて返事をしようものなら、そこで契約と上下関係が締結。彼らの不明瞭だが高飛車な命令に従わざるを得ず、払う必要のない意味不明な手数料が次々と加えられ、終いに後出しジャンケン的に高額な請求を突きつけられます。絶対。想像ですけど。

 

「アフリカの笑顔」の正体は苦笑い?

で、ボクら、伊達に世界一周に12年も費やしてないわけで、考えました。策はあります。

彼らの命令調営業トークを無視します。目を合わせません。完全無視。

彼らが右を指差せば左を向き、東へ歩けば西に行く逆張り戦法。

これは効きました。

みな、呆れて去って行ったのです。

彼らの残した苦笑いが、初めて見た西アフリカの笑顔。

ただ、この逆張り戦法だと一向にイミグレに近づけず、手続きできないというジレンマ。

ボクらも苦笑いです。

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動線をまったく無視したイミグレーション >

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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