2017年08月29日 公開
2023年03月23日 更新
仕事で必要なモノや書類がすぐに取り出せずに、探し物ばかりしてしまうのは、時間のムダと言える。とはいえ、忙しいからと片づけを後回しにすると、気がつけば書類などがたまりがち。自らも会社員時代は整理整頓が苦手だったと語る髙原真由美氏に、必要なモノや情報がすぐに取り出せる「時短デスク」の作り方について教えていただいた。《取材・構成=内埜さくら、写真撮影=まるやゆういち》
現代は情報過多の時代。放っておいても情報はどんどん集まってきます。とはいえ、不要な情報だけを初めから遮断するのは難しい。膨大な情報量をいかに自分に見合った形で整理し、必要な時に見つけ出せるかという「検索力」が必要な時代になっていると思います。
仕事で扱うデータや書類も、情報の一種です。これらについても、5年前、10年前と比べて飛躍的に増大していると言えるでしょう。
仕事中に必要なモノや書類、データがすぐに出て来ず、それを探す時間ほどムダなものはありませんが、こうした情報過多の時代においては、中でも書類などの情報整理が喫緊の課題になっているのは間違いないでしょう。そこでまずは、情報管理の方法からお話しします。
書類には大きく分けて三つの種類があります。一つ目は、「フロー」。現在進行中の仕事で使っているものです。
二つ目は、「ストック」。「フロー」のように頻繁に参照するわけではないけれど、保管しておく必要があるものです。具体的には、法律で一定期間の保管が義務化されている法務・税務関係の書類や、事業計画関連など企業ごとのルールによって保管が必要な書類です。
三つ目が「リファレンス」です。これはたびたび参照するマニュアルや説明書のこと。たとえば、壊れやすい機器類の取扱説明書や、今は使用頻度が減っていますが電話帳などが該当します。
この3種類が必要かつ保存すべき書類で、このいずれにも当てはまらない情報は「不要」ということになります。最初に書類を分別し、不要な書類を捨てることから始めましょう。「フロー」の書類は使用後に不要になることが多いものですが、それをそのまま溜め込んでしまうと「不要」な書類が増えていきます。「フロー」は期間が過ぎたらその都度破棄するのが書類を溜めないコツ。どうしても心配なら、スキャナを活用して書類をデジタル化し、紙は捨ててしまいましょう。
そのうえで、この3種類の書類をどう保管するかについてご説明します。実は、探し物に時間をかけている人の場合、高確率でこの三種類を混在させている傾向があります。まずはこの三種類をそれぞれ別々に保管することをルールとしましょう。そのうえで、「ストック」は見返すことがないため、資料室など「フロー」「リファレンス」とは別の場所に隔離しておくといいと思います。
個人の裁量によって保管の仕方が問われるのが、「フロー」です。万人に共通するベストな方法があるわけではなく、自身の職種や性格に合った管理方法を見つけ出すことが、整理整頓への一番の近道です。
フロー情報の整理方法としてお勧めの方法は、大きく分けて二つあります。
一つ目は、案件やプロジェクト、お得意先などの「項目別・顧客別」に整理する方法です。そのうえで、クリアファイルなどを使って管理するとわかりやすいでしょう。
私自身が実践しているのは、6色のクリアファイルを目的別に分けて使う整理法です。航空券やホテルの予約書類など出張関連は青色、決済などの金銭関連は黄色、迅速に処理すべき書類は赤色、イベントや行事などは紫色、別会社関連の書類は緑色。透明のクリアファイルには分類するほどではない書類を入れて平積みしています。
私はこの整理法を「パイリング」と呼んでいます。書類が平積みされてもクリアファイルの色で内容がわかるので便利。クリアファイルにインデックス付箋をつけて、優先順位や種類別に分類してもいいでしょう。
もう一つは、「時系列整理法」です。たとえば月ごと、週ごと、さらに細かく日ごとにファイルを作って保管する方法です。ある弁護士秘書の方は、「デスクの一番下の引き出しに1日から31日まで番号をふったファイルを入れて管理」という方法を採っていました。
どの方法が自分に合っているかは、職種や性格によるところが大きいと思います。まずは自分に合いそうな方法を実行してみて、改良を加えて最適な整理法を見つけてみて下さい。
更新:11月26日 00:05