2016年12月26日 公開
2016年12月26日 更新
年末年始で、家でまったりと本を読みたい。何を読もうか迷っていらっしゃる方々に、『A子さんの恋人』をご紹介したいと思います。主人公のA子(えいこさん)を中心に、友達や家族と絡まりあう29歳の女性の日常描写を描いた恋愛群像劇です。
主人公のえいこさんは、日本に恋人を残しておきながら、留学先でちゃっかり恋人を作っています。さぞ悪女のように思われるかもしれませんが、ただただ優柔不断なだけ。答えを出せずに、恋人との関係を保留にしているのです(個人的な感想ですが、主人公のA子は、答えを出せないのではなく、出したくないのではないかと思います。その結果、周りは振り回され続けるのですが……。周囲を振り回している自覚がないだけに、恐ろしい)。
まさに、キャッチコピーにあるように、「半人前の大人たちが繰り広げる、問題だらけの恋愛模様」なのです。
また、決められない性格のえいこさんに共感を覚えつつも、「こんな人いるなぁ」という身近なキャラクターがたくさん出てきます。というのも、誰からも好かれるけれど、誰のことも大して好きじゃないA太郎や、頭は良いのに、好きになる相手はアホばかりのU子など、自分や自分の周りに当てはまる人がたくさん登場するのです。登場人物の名前が、アルファベットで無機質に記号化されているので、誰かを当てはめやすいのでしょうか。
これといった出来事はありませんが、「あるある」の連続でついつい惹き込まれてしまう作品です。ぜひ、手に取ってみてください。
執筆:S/N (「漫画」担当)
更新:11月23日 00:05