2016年09月28日 公開
2016年09月29日 更新
そんな佐藤氏も、かつてはいくら考えてもアイデアが出ない、考えがまとまらない状況に陥ることがあったという。そこで学んだのが、「自分が追い込まれる手前で、考えるのをやめる」ことだった。
「今まで何度もドツボにハマったので、『これ以上考えると行き詰まるな』というのがわかるのです。経験を積むことで、自分の脳の状態を客観視できるようになったという感じでしょうか。世界のトップデザイナーの方々に話を聞くと、皆さん共通で持っている感覚らしいです」
複数の仕事があったら、締め切りが迫っているものではなく、「今やりたい仕事からやる」のが佐藤流。やりたいことなら、脳も良い状態で気持ちよく作業が進み、後回しにした仕事もスムーズに進むことが多いという。
「もう1つ、一流デザイナーに共通するのが、『常に2人の自分を持つこと』。『自由で楽観的な自分』と『規律に厳しい自分』、『テンション高く盛り上がる自分』と『冷静な自分』といった『2人』の目で物事を見るのです。
このように、2つの視点で思考のブラッシュアップを繰り返していけば、いずれ質の高い解決案を生むことができるはずです。ぜひ試してみてください」
取材・構成 塚田有香 写真撮影 永井浩
『THE21』2016年8月号より
更新:11月22日 00:05