2016年08月13日 公開
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と言えば、国内外から多くの人が訪れる日本を代表するテーマパークの1つ。しかし、つい数年前までは、地元関西からの集客に頼り、全国的注目度は低かった。そのUSJが今や、世界第4位の集客を誇るテーマパークとなっている。その背景には、ユー・エス・ジェイCMO森岡毅氏のずば抜けたアイデアと考え方があった。USJを劇的に変えた、「マーケティング思考」とはどのようなものなのだろうか。
テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の快進撃が止まらない。社運を賭けた「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」をオープンした2014年度に1,270万人の年間集客を記録。その後も大幅な記録更新を続け、2015年10月には過去最高の月間175万人を集客し、単月ながら東京ディズニーランドをも超えて集客数日本一のテーマパークとなった。その仕掛人ともいえる人物が、ユー・エス・ジェイのCMOを務める森岡毅氏である。氏は「マーケティング思考は、あらゆる仕事における業務効率と成功の確率を劇的に上げる」と断言する。
「USJの復活、成功は奇跡でも偶然でもありません。理由はたった1つ、マーケティングを重視する企業となったことです。かつて新規事業の成功率は30%でしたが、今は97%にまでなりました」
開業した2001年度こそ想定を上回る1,100万人が訪れ、大変華々しかったUSJだが、2年目以降、集客数を減らし、開業当初の域まで持ち直すことはなかった。前社長グレン・ガンペル氏から直接要請を受けて前職のP&G社から転職した森岡氏がまずやったのは、市場データや消費者データ、経営に関する資料など、徹底的にデータを調べ、読み込むことだった。
「そして少なくとも年間1,000万人レベルの総集客を維持継続することは可能であるという結論に達しました。そのとき、役立ったのが数学です」
更新:11月25日 00:05