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知らないうちに進行する「あの病気のリスク」

2016年08月03日 公開
2023年05月16日 更新

森田 豊(医療ジャーナリスト)

五十肩 ~女性はとくに注意~

 重い荷物を持ったり、ゴルフの素振りをした瞬間、肩に激痛が走ったことはないでしょうか。俗に言う「五十肩」の症状ですが、実際には40代にも多く見られます。デスクワーク中心で運動量が少ない人も、五十肩になりやすいのです。

 五十肩(正式名称は「肩関節周囲炎」)になるのは、長年腕や肩を動かすうちに、肩関節にある回かい旋せん腱けん板ばんが疲労してもろくなり、周辺組織が炎症を起こすから。つまり、関節の老化です。

 チェックリストの2番目から6番目の動作で痛みを感じたら五十肩の疑いがあります。

 とはいえ、痛みが出ても適切な治療をすれば症状は和らぎます。日頃からストレッチや肩の運動をするのも効果的です。たとえば、肩のリハビリに有効なのが、お風呂で行なう「指階段療法」。湯船に肩まで浸かって身体を温めたら、痛むほうの腕の人差し指と中指を壁に当て、2本の指で歩くようにして、少しずつ腕を上げていきます。これ以上は上がらない地点まできたら、腕に身体を預けるように寄りかかり、10秒キープ。毎日続ければ肩や腕の筋肉が伸びて、肩の稼働域が広がります。

 

五十肩チェックリスト

1.40歳以上である。

2.両腕を真上に上げると痛い、またはスムーズにできない。

3.両腕を肩の高さで上下させると痛い、

4.またはスムーズにできない。

5.両腕を曲げて、外に開くと痛い、またはスムーズにできない。

6.両腕を腰の後ろで組むと痛い、またはスムーズにできない。

7.両腕を首の後ろで組むと痛い、またはスムーズにできない。

8.日頃、運動をほとんどしていない。

9.デスクワークが多く、身体を動かすことが少ない。

10.ひどい肩こりである。

11.左右の肩の形が違う。

※1に該当し、2~6のうちの1つでもあてはまれば、「五十肩」の疑いがあります。

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著者紹介

森田 豊(もりた・ゆたか)

医療ジャーナリスト

1963年、東京都生まれ。秋田大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。東京大学医学部附属病院助手、米国ハーバード大学医学部専任講師、埼玉県立がんセンター医長、板橋中央総合病院部長を経て、現職。医師として現場に立ちながら、テレビや雑誌で医療情報を発信。近著に『今すぐ「それ」をやめなさい!』(すばる舎)など。

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