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加入率たった3割?熊本地震を機に「地震保険」の見直しを

2016年05月27日 公開
2023年05月16日 更新

高橋成壽(ファイナンシャルプランナー)

地震では補償されない自動車保険

ここで一つ、見逃されがちな保険があります。それは「自動車保険」。今回の震災では、家に戻ることができず、自家用車の中で避難生活を送る人が数多くいました。地方ではとくに重要な存在だけに、保険で守っておきたいという人は多いでしょう。

ただし、一般的な自動車保険の補償内容は賠償責任や傷害補償に限られるため、そもそもオプションで「車両保険」に加入していない限り、車両に対する保険金は受け取れません。しかも、もし車両保険を付けていたとしても、今回のような地震災害の場合、自動車保険による車両保険金の支払いは、地震は免責(支払い義務なし)となっており、保険金が支払われないことになるのです。

ただ、最近では地震による災害においても保険金を支払う特約のある損害保険会社もあるため、自動車保険の更新時期が近づいて来たら、地震補償についてもご相談いただいたほうがよいでしょう。

 

地震保険の保険料はいくらか?

ところでこの地震保険は、政府の意向もあって開発された商品です。そのため、前述したようにどこの保険会社で加入したとしても、保険料は同じになっています。

政府保証の保険のため、財務省のHPに保険料の記載があります(1年以上の長期契約をご検討の方は、各保険会社を取り扱う保険代理店に見積もりを依頼してください)。

1,000万円の地震保険に加入した場合の一年間の保険料
熊本県:マンション6,500円、木造家屋10,600円
大分県:マンション8,400円、木造家屋16,500円
高知県:マンション11,800円、木造家屋27,900円
大阪府:マンション13,600円、木造家屋24,400円
東京都:マンション20,200円、木造家屋32,600円
(出典:財務省HP)

いかがでしょうか、地域によって大幅に保険料が異なること、そして、熊本県は地震のリスクが低いと考えられていたことがわかります。どのエリアに住んでいるかにかかわらず、地震保険への加入を検討すべきであると言えます。

被害が発生して初めて効果を発揮する損害保険。深く検討しないまま加入されている方が多いでしょう。自宅という大切な財産を守るための保険ですから、下手に節約せず、きちんと財産を守ることができるような契約内容で加入することが、いざというとき役に立つはずです。

今回の熊本地震では、新耐震基準の建物であっても倒壊した家屋があります。耐震性能が高いと地震保険料は割引になります。耐震性能が高いからと安心せず、ぜひ一度、見直してみることをお薦めします。

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著者紹介

高橋成壽(たかはし・なるひさ)

寿FPコンサルティング代表取締役

日本FP協会認定CFP。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、投資商品の営業、外資系生保の営業を経て、ファイナンシャル・プランナー会社を設立。女性のお金に関する悩みを解消するサービスとして、家計管理講座「マネーレッスン」を開講中。

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