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男女別 異性との「失敗しない」雑談術

2016年05月23日 公開
2023年05月16日 更新

五百田達成(作家/心理カウンセラー)

こんなすれ違い、あなたもしていませんか?

五百田達成

「異性との会話がなかなか噛み合わない」と感じたことのある人は少なくないはず。なぜ、異性との雑談は難しいのか。それは、男女で雑談に求めるものや、スタイルに違いがあるから。一体、どんな違いがあるのか。その違いを理解し、克服するためのアドバイスを、コミュニケーションの達人・五百田達成氏にいただいた。

 

男性は情報交換女性は共感

 男性と女性では、雑談をするときの話法がまったく異なります。男性の雑談の特徴は、「情報交換+アドバイス」。一方、女性の雑談の特徴は、「共感による感情の共有」と「話題の転換」です。

 たとえば男性同士の雑談で、ゴルフの話になったとしましょう。そのときの典型的な会話の展開パターンはこんな感じです。

「どうですか、最近ゴルフは?」「あのね、先日ドライバーを買い換えたんですけど、それからというもの急に飛距離が伸びたんですよ」(情報提供)

「えっ。それってどこのドライバーですか?」

「○○社の△△っていう新商品です。これまでのドライバーと違って、××なのでオススメですよ」(アドバイス)

「そうなんですか?(スマホで商品を検索しながら)あっ、ホントだ。ユーザの評価も高いですね。僕も今度買おうかな」

 情報提供やアドバイスをした側は、役に立てたことで満足感を抱きます。また、提供を受けた側も、有益な情報が得られたことで満足度の高い雑談になります。このように、男性は雑談にも意義を求める傾向があるのです。

 ところが、同じゴルフの話題でも、女性同士だと展開はまったく違ってきます。

「どうですか、最近ゴルフは?」

「先週の週末にコースに出たんですけど、最近気候が良くなってきたじゃないですか。だからグリーンが気持ちよくって」

「ああ、それわかる! お天気がいいところでボールを打つと、それだけで気持ちがよくなりますよね」(共感)

「いいよね、この季節のゴルフは。そうそう、この季節と言えば……」(話題の転換)

 女性は雑談で、有益な情報やアドバイスなどは求めていません。いろいろな話題を思いつくままに話し、気持ちを共有し、共感し合うことで、お互いの心理的距離を縮めていくことが大切なのです。

 これは男女の脳の違いに由来しています。女性の脳は左脳と右脳を結ぶ脳梁が太く、一度にたくさんの情報をやり取りできます。反対に男性の脳梁は細いため、一度に1つの情報しか処理できません。

 だから女性同士の雑談は、話しているうちに他の話題を思いついて、あちこち話が飛びやすい傾向があるのです。それに対し、男性同士の雑談は、ある1つの話題を突き詰めていく会話になりやすいといった特徴があります。

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そのひと言が相手をムッとさせる >

著者紹介

五百田達成(いおた たつなり)

作家・心理カウンセラー

1973年生まれ。東京都出身。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、2007年に独立。著書にシリーズ30万部超えの『察しない男 説明しない女』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。米国CCE,Inc.認定GCDFキャリアカウンセラー。

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