2016年03月09日 公開
2023年05月16日 更新
まだアイドルの世界に飛び込んで間もない2人。最後に、これから先の活動について、不安に感じていることを香山先生に相談してもらった。
西潟 私、緊張しやすいんです、とっても。ステージに上がると上がっちゃって、変な汗が出てきちゃったり。上がり症って、克服できるものでしょうか?
香山 根本的に直すというよりは、さっき言ったようにパッとマスクをかぶるイメージで。頭の中にアイドルの「お面」をイメージして、ステージに上がるときはそれが下りてくるんだ、と。それでうまくいったら、だんだん本当の自信になって来ますから。でも、上がり症には見えないですね。
西潟 大勢の人に見られるとすごく緊張してしまうんです。
香山 アイドルになったということは、大勢の人に見られるのが好きだった、というわけではなくて?
西潟 たしかにそうなんですけど、やってみると、見ているのとは全然違うなって。「向いてないんじゃないか」と考えることもあります。
香山 向いていないとは思わないけれど、お話を聞いていると、西潟さんはパーソナルに人の相談を受けたり、じっくり話を聞いたり、といったことにも向いているみたいですね。そういうのは好きですか? 裏方的な仕事というか。
西潟 ……そっちに行った方がいいでしょうか?
香山 いえいえ、そうじゃなくて(笑)。ただ、演者としてだけではなく、グループ内の調整役になったり、将来はプロデュースをしていったり、そっちも向いているように思います。
佐藤 たしかに、向いていそう。
西潟 貢献したいですね(笑)。
佐藤 私は笑顔がたまに引きつるのが悩みです。たとえば撮影をしていて、「もっと笑って」って言われるじゃないですか。「笑って」って言われても、どのくらい笑うんだろう? と考えてしまって。そうすると顔が固まって、引きつってくるんです。
香山 撮影で笑うときは、頭の中で楽しいシーンをイメージしたりする?
佐藤 いいえ。イメージしたほうがいいのでしょうか?
香山 これまでにあった楽しいことやうれしいことで、「このことを考えたら笑える」みたいなパターンを一つ決めておくといいと思うんですよ。あまりにもたくさん種類があるとどれを想像していいかわからなくなるから、一つだけ。
佐藤 なるほど。
香山 ところで、佐藤さんは中学生だけれど、学校はこういう仕事には理解があるんですか?
佐藤 はい。みんな応援してくれています。でも、中には嫌味っぽく、「お前は長続きしない」と言ってくる人もいますが。
香山 えー。そんなことを。
西潟 杏樹は言い返すの?
佐藤 言い返す。
香山 それでメゲたりはしないんだ。
佐藤 しないです。言われっぱなしは嫌いなので。我慢して、ストレスが溜まっていってしまうと、どこかで「もういやだ」って投げ出すタイプなんです。だから私は溜めたくないんです。
香山 言えちゃうんだ。それはいいですね。
学校に行っていると、普段は同じくらいの年代の人としか関わらないでしょう。NGT48にはいろいろな年齢のメンバーがいると思うけれど、それは大丈夫?
西潟 私は、年下のメンバーが多いので、もうお母さんのような気持ちです(笑)。
佐藤 私は、先輩後輩の関係は、姉妹グループとの間では大事ですけど、NGT48のメンバー内ではいらないと思っています。そのほうが気を使わずに、明るく接することができると思うので。だからあまりメンバーには年齢の差を感じさせたくないし、気を使わせたくないんです。
西潟 杏樹は中身が14歳じゃないんです(笑)。
香山 ちょっと前まではランドセルを背負っていたわけでしょう。それを感じさせないよね。でも、もっと中学生らしい子もいるわけでしょう? 大変じゃないですか?
西潟 はい(笑)。でも、妹がいっぱいできたという感じだったり、お母さんの感覚だったり。ご飯を作って食べさせたりしてしまうと、なおさらですね。
香山 「たくさん食べて栄養を摂りなさい」みたいな感じ?(笑)
アイドルの方って、こっちから見ているとすごいストレスがある職業、立場だなと思っていたんです。だから、今日はもしかしたらすごく大変だという話になるのかなと思っていたのですが、二人ともすごく健全で、良い意味で普通なところもたくさんありますね。これから大人の醜さみたいなものを見ていくかもしれませんが、「普通」で「健全」な部分を大事にしてほしいなと思います。
佐藤・西潟 はい。ありがとうございました!
<『THE21』2016年3月号より>
更新:11月22日 00:05