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「価値ある人脈」を築くためのノウハウ

2016年01月25日 公開
2023年05月16日 更新

内田雅章(TOP CONNECT代表)

 

<整理する>
出会った人を3つのタイプに分類する

 私は、名刺を3つに分類して管理します。それは、①ぜひまた会いたい人、②必要に応じてつながっておきたい人、③こちらから連絡することはない人、この3パターンです。

 この仕訳けをせず雑多にしておくと、人づきあいまで行き当たりばったりになって、本当に関係を深めたい人へのアプローチがおろそかになりがちです。

 ①「ぜひまた会いたい人」には、早々に「昨日はありがとうございました。今度、お食事でもしませんか?」と連絡して、アポイントを取りつけます。一方、②③は、自分からは連絡しませんが、先方から連絡があれば会います。

 ①のカテゴリーの人は魅力的な人物が多いので、自分以外にも「会いたい」と思う人が大勢います。また、たいてい多忙なので一度は会ってもらえても、自分が相手にとっての価値を示せなければ、後が続きません。そこで名刺を整理するとき、「この人に自分は何をプレゼンテーションできるだろうか」と考えてみるのです。

 場合によっては、なかなか会うきっかけを作れず、そのまま時間が経過してしまうこともあります。その場合の空白期間は、目安ではありますが、初対面で会っただけならば1年、仕事をした関係なら3~5年ぐらい期間が開いても大丈夫です。

 また、年末年始のこの時期ともなれば、年賀状や年始の挨拶などの機会も有効に使えます。ふだん年賀状を出さないという人でも、届いた年賀状で気になる相手には、返信ではなく電話やメールをするのもいいでしょう。年末年始は、絶好の人材再発掘期間ともいえます。

 会いたいと思う人は、自分の立場などによって時々で変化するもの。すべての人と同じ密度でつきあうのではなく、「今の自分に必要な人」を見極めることです。もちろん、今は必要なくてもいずれ会いたいと思う人もいるでしょうから、可能性がある相手への気遣いはお忘れなく。

 人脈を広げるには、「自分が得をしたい」という気持ちはまず脇に置いて「自分は何ができるか」という視点から、人と関わっていく姿勢を身につけることです。20代のときのような「やる気があります!」というアプローチだけでは、相手の心を動かすことはできません。30代からは、人の力を上手に使えるようになり、40代からは他社とつながり、お互いの力を持ち寄り、大きな仕事を成し遂げる人脈を拓く時期に入ります。

 そして、なにより40代からの人脈は、自分自身が魅力的になり、相手に提供できるサムシングがなければ輪は広がっていきません。人脈作りとは自分の価値を棚卸しして、自分を磨いていくことです。また、格上の人物と触れ合うことで、さらに成長を遂げていくチャンスでもあるのです。

《取材・構成:麻生泰子≫
《『THE21』2016年1月号より≫

著者紹介

内田雅章(うちだ・まさあき)

TOP CONNECT代表

1970年、愛知県生まれ。94年、早稲田大学商学部卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。2000年に退行後、マンションデペロッパー、仕出し弁当販売、銀座のクラブ経営などを経て、04年、㈱就職課を設立。14年、TOP CONNECT(株)を設立し、トップダウン営業支援サービスを展開中。著書に、『図解「人脈力」の作り方』(講談社+α文庫)など多数。

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