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「価値ある人脈」を築くためのノウハウ

2016年01月25日 公開
2023年05月16日 更新

内田雅章(TOP CONNECT代表)

 

<広げる>
「引き出しの多さ」は武器になる

 親しくなった人から、お客さんや優秀な人材を紹介してもらう──これは人脈がビジネスチャンスを広げた好例です。こうした流れを作るには、自分自身が「人に紹介したい」と思われるだけの信頼のおける、見どころのある人物になることが前提です。たとえば、キャリアがある、話が面白い、多趣味、顔が広い、約束を守る、礼儀正しい、好感が持てるなど、その方向性はさまざまです。

 私の場合、「都市銀行を皮切りに何度も職を変えて、キャリアが面白い」「囲碁や加圧トレーニングなどの変わった趣味がある」「全国納豆鑑評会の審査員を務めている」などの引き出しを持っています。また、常に新しいことにチャレンジしているので、顔の広さと新しいネタにも自信があります。そうすると、何かしらの項目が引っかかり、人を紹介していただく機会が非常に多いのです。

 まずは、自分が人に紹介されるとしたら、どんなメリットや売りがあるのだろうと客観的に考えてみてください。そして、人に紹介されやすい人になるために、その知識を深めたり、新しいことにチャレンジをして提供できるものを増やしていくことが大切です。

 また、自分の人脈は惜しみなく活用して、積極的に人と人とをつなげましょう。たとえば、自分の知り合いであるAさんが欲しいものをBさんが持っており、Bさんが欲しいものをAさんが持っているとします。そうしたら、両者を引き合わせて、仲を取り持つのです。私はこれを「バーター営業人脈法」と呼んでいます。人脈が豊富なほど、バーター営業人脈法がうまく絡み合い、人を喜ばせることができます。自分には直接的な利益はありませんが、AさんやBさんからは「何かあれば、いつでも力になりますよ」と言ってもらえるようになります。

 人と人とをつなげる機会を提供するのは、個人の趣味や興味、悩みなどプライベートに関することでも結構です。むしろ、ビジネス関連よりもつきあいが深まります。なぜなら、お金が絡むビジネスの中だけで「バーター」をやろうとしても、範囲が限られ、すぐ枯渇します。また、損得勘定が働いた割り切った関係になりがちです。

 それよりも仕事に関係のない楽しいことで日頃から「バーター」して、信頼関係を築いていったほうが、相手との関係が深まり、本当に自分が困ったときや協力が欲しいときに、喜んで力になってもらえるのです。

 ある程度、自分の周りに人脈ができてきたら、勉強会を開くのも手です。そこから気の合った人たちで、定例会を開いていくと、人が人を呼び、どんどん人脈が広がっていきます。

 いきなり、こうした会を開くのは少々ハードルが高いかもしれませんので、まずは食事会の幹事でも十分です。私は、銀行員時代からコツコツと社内の飲み会や忘年会の幹事をやってきたことで“場を作る経験”を積んできました。こうした役回りは面倒くさいと思われ、たいてい嫌がられますが、みんなの連絡係となり、席も段取りも決められるのですから、実は人脈を広げる好ポジションなのです。

 人脈作りの最初の段階は、ギブ&テイクではなく、ギブを重ねていく「ドミノ方式」です。自分から積極的に動くことで、いつか巡り巡って、人を紹介してもらったり、自分の仕事や評価にはね返ってくるもの。

 人脈は熟成期間が必要です。いわば、長期的な投資だと考えて、目先の利益にだけとらわれない視野の広さが大切です。

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著者紹介

内田雅章(うちだ・まさあき)

TOP CONNECT代表

1970年、愛知県生まれ。94年、早稲田大学商学部卒業後、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。2000年に退行後、マンションデペロッパー、仕出し弁当販売、銀座のクラブ経営などを経て、04年、㈱就職課を設立。14年、TOP CONNECT(株)を設立し、トップダウン営業支援サービスを展開中。著書に、『図解「人脈力」の作り方』(講談社+α文庫)など多数。

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