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40代からの人脈作りに必要なものは?

2016年01月12日 公開
2022年11月14日 更新

山本真司(経営コンサルタント)

40代からでも遅くない!
「社内引きこもり」から脱却しよう

自分に刺激を与え、成長を導き、さらに仕事の可能性を広げてくれる人とのつながりこそ、意味のある「人脈」と言える。そんな人と出会うためには、何をすればいいのだろうか。多くの人脈を持つ山本真司氏に、40代から人脈作りの秘訣をうかがった。

 

「ある程度成功した人」のほうが危ない!?

 社内でのステップアップに明け暮れる間に、社外の人脈作りをしていなかった──そんな40代ビジネスマンは多いでしょう。中でも注意すべきは、「社内引きこもり」。社外の人々と接することに抵抗を覚える状態です。

 この状態にある人の多くは、社内である程度の成功を経験しています。そしてその過程で、会社のカラーを良くも悪くも身につけています。それは時に、組織の風土やローカルルールに基づく狭い視野・偏った判断基準を形成することがあります。

 そうなると、外界との間にはギャップが生まれます。外に出たときに他業界についての無知が露呈したり、社内ルールそのままの行動をして恥をかいたりすることもあるでしょう。そのストレスを避けようと、ますます引きこもるのです。

 しかし私はあえて、そんな方々にこそ、外に出ることを勧めます。

 現在、日本企業は業界を問わず、イノベーティブであることが求められています。そこで働く人材にも、既成概念にとらわれない新しい発想が必須です。

 その発想力は、異質なものとの接触なしには生まれません。引きこもりのままでは個人の成長が止まるだけでなく、そうした人々で構成される会社も、いずれ停滞するでしょう。

 ですから、ここは勇気と謙虚さが大事。恥をかくことを恐れずに外の世界に打って出て、未知のことを「教わる」姿勢を持ちましょう。

「40代から人脈を作ろうとしても遅すぎるのでは?」という不安もあるでしょう。しかしそこは心配無用。私自身も、意識的に人脈を作り始めたのは40代以降です。いつから始めようと、その人次第で人脈を育てることは可能です。

 さて「その人次第」と言いましたが、ここが重要なポイント。人脈を構築できる人の条件は、「人から『会おう』と思ってもらえる人」であることです。

 誰しも、魅力に欠ける人とは会いたいと思いません。多忙な人物ならなおさらです。人脈を作るなら、会ってもらう価値=「実力」が不可欠なのです。

 実力を構成する要素はさまざまですが、突き詰めると「ビジョン」「ストラテジー」「影響力」の3つに集約できます。高い志とそれをイメージ化する構想力、その実現を図る戦略構築力、そして他者の思考や行動に刺激を与える力です。

 それらを身につけるには、とにもかくにも「勉強」。とくに、これまでしてこなかった人には猛勉強が必要です。自分の仕事やその分野に関する知識を磨き、さまざまなことに興味を持ち、それに対する独自の見解を持つこと。こうした専門性と確かな価値観が、実力と魅力の源になります。

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著者紹介

山本真司(やまもと・しんじ)

経営コンサルタント、〔株〕山本真司事務所代表取締役

1958 年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)勤務。シカゴ大学経営大学院(ブースビジネススクール)修士。名誉MBA (MBA with honors) 取得、ベータ・ガンマ・シグマ(全米成績優秀者協会)会員。1990 年にボストン・コンサルティング・グループ東京事務所に転じる。以降、A.T. カーニーマネージング・ディレクター極東アジア共同代表、ベイン・アンド・カンパニー東京事務所代表パートナーなどを経て2009 年に独立。現在、株式会社山本真司事務所、パッション・アンド・エナジー・パートナーズ株式会社代表取締役、立命館大学経営大学院客員教授、慶應義塾大学健康マネジメント大学院非常勤講師などを務める。
著書に、『会社を変える戦略』(講談社)、『儲かる銀行をつくる』(東洋経済新報社)、『40 歳からの仕事術』(新潮社)、『35 歳からの「脱・頑張り」仕事術』(PHP研究所)、共著に『ビジネスで大事なことはマンチェスター・ユナイテッドが教えてくれる』(広瀬一郎氏との共著、近代セールス社)など多数。

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