2015年11月23日 公開
2022年11月14日 更新
経済指標とひと口に言っても、その数は膨大です。とてもすべての指標を見ることなどできませんし、すべての数字を把握する必要もありません。
物事には必ずポイントがあります。このポイントさえ押さえておけば、すべてのことがだいたい分かるものなのです。経済指標も同じで、ポイントとなる指標を定点観測し、あとは臨機応変に、そのときどきに必要な指標を関連づけて見ればいいのです。
実際に私がやっているのは、日本経済新聞朝刊に毎週月曜日、掲載される「景気指標」面を継続的に見続けることです。もうかれこれ35年くらいになるでしょうか。
これだけ継続的に見てくると、バブル期もあれば金融危機もありました。拡大期、減退期、停滞期など、あらゆる経済の局面を数字で見てきたことになります。
日経新聞の「景気指標」面だけでも、80前後の指標が載っていますが、これも全部見る必要はありません。まずは左上のGDPや他のいくつかの主要指標を見続けることから始めて、徐々に定点観測する指標を増やしていけばいいのです。
日経新聞が手元にない人も心配はいりません。インターネットで指標名を検索すれば、ほとんどの指標の数値や推移を見ることができます。日経新聞のWebサイト(http://www.nikkei.com/biz/report/)でも約60前後の指標の数値と推移が見られます。
電車に乗っている移動時間や、ちょっとしたスキマ時間にも経済指標をチェックすることは可能なのです。
経済指標を見るときの心得については、指標の「定義」をきちんと理解したうえで、自分の「基準」をもって「定点観測」し、いくつかの指標やニュースを「関連づけ」ながら、自分なりの「仮説」を立てることが重要になります。
慣れてくると、この仮説を立てるのも移動時間やスキマ時間にできるようになりますし、何よりも仮説を立てるのがおもしろくなります。そして、自分の仮説が正しかったかどうか検証するのがとても楽しくなるのです。
更新:11月22日 00:05