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40代で「人生大逆転」できる人の条件

2015年10月17日 公開
2023年05月16日 更新

テリー伊藤(演出家/タレント)

「40代である自分」をどうポジティブに語るか?

「でも、俺は西島とか竹野内とは違うから……」

そう思った人には、私が魔法の合言葉を教えよう。それは「フォーティラブ」。私が40歳になったときに作ったキャッチフレーズだ。「恋する40歳」。テニスのスコアみたいな響きでゴロもいいし、明るくさわやかで女子受けもいい。「俺、ついにフォーティラブだぜ。気をつけろよ。きっと俺に惚れちゃうから」「え? ほんと? なんか、40歳ってカッコいいかも」となるから不思議なものだ。

要は、40歳になって自ら老け込んでしまうのはダメだということだ。10代の女の子が20歳になったとき、「もう青春も終わり。私もオバさんね」と言うように「もう俺も40歳だから」と言ってショボくれたオッサンになっているのが一番よくない。30代に比べて40代は急におやじ臭い印象がある。「中年」と自他ともに認めてそこに自分を当てはめてしまう。それを振り払って、「男の本当の恋は40歳を過ぎてから」という自分たち世代へのエールがフォーティラブだ。

「俺はリチャード・ギアと同い年なんだ。矢沢永吉も舘ひろしも一緒なんだよ」

40歳のときにそう言うと、20代の女の子たちは、みんな「すご~い!」と言った。舘ひろしたちのおかげで、私のポジションまで自動的に上がっていったのだ。もちろんそれはいまだに変わらない。

大切なのは、自分が置かれたポジションをどうポジティブに語れるかということだ。今の日本で自分たちの世代の価値を最も上手に高めているのが女子高生だ。女子高生たちは、可愛い子もあまりそうではない子も全部含めて「女子高生!」というブランド価値を打ち立てている。可愛い制服や短いスカート、ヘアスタイルやメークや「カワイイ女子高生文化」によって、男子高校生など到底及びもつかないようなイメージと存在価値を作ってしまった。

 

クリスマスもハロウィンもすべてに首を突っ込め!

同じように、40代には40代の魅力を打ち出す方法がたくさんある。そして、実際に40代ならではの魅力がある。知識や経験、これまで自分が生きてきた人生に実はたくさんの宝物があるはずだ。それを不安や焦りの中で見えにくくしているのは、実は自分自身だということがある。

最近、40歳になった仕事仲間がこう言い出した。

「30代までと違って、40代に入ると、なんだか疲れることばっかりですね。会社では上司からのプレッシャーと部下への気遣いで中間管理職の板挟みのつらさが身に染みるし、家に帰れば若い頃みたいに女房がやさしく笑顔を浮かべてくれるわけでもない。家庭は子供中心に回ってるし、ろくに父親の居場所もない。体力は落ちるし疲れやすいし、40代って、なんにもいいことないですよね」

そんな調子でボヤいている彼らに、私は言った。

「あのさあ、そうやってシケた顔してるからダメなんだよ。『よっしゃ! 男、40歳。これからガンガンいったるぞ!』って言ってると、本当にガンガンいけるようになるんだよ」

去年の冬のある夜、やはり40歳になったばかりの編集者とタクシーに乗っていたときのことだ。街はクリスマスのイルミネーションが輝いていた。彼がこうつぶやいた。

「クリスマスか……。いいなあ、世間は華やかで……」

「何言ってるんだ。そんなこと言ってるからダメなんだ」

彼はハッとしていた。そこで車窓が目に入ったとき「いいなあ」とうらやましがっているのではなく「よし、行くぞ、クリスマス!」という気持ちを失ってはいけないのだ。イルミネーションを見て「いいなあ」と言うのか「さあ、クリスマスだ」と言うか、まずそこが大違いなのだ。

ましてや、彼は読者に楽しい情報や素敵な生き方を伝える雑誌の編集者だ。いくら年末の大忙しでクリスマスを楽しむ余裕がないとはいえ、クリスマスの灯りをワクワクして見つめる心を失ったら楽しい雑誌など作れるはずもない。

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著者紹介

テリー伊藤(てりーいとう)

プロデューサー、タレント

1949年生まれ。東京都中央区築地出身。「天才・たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」「浅草橋ヤング洋品店」などのテレビ番組の企画・総合演出を担当し、注目を集める。現在は演出業の他、プロデューサー、タレントとしてマルチに活躍。

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