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「オス化」はNG! 働く女性の「評価されるコツ」

2015年06月10日 公開
2023年05月16日 更新

太田彩子(営業部女子課の会代表理事)

評価される女性のポイント5

1 女性ならではの「顧客視点」を発揮する


女性は、男性よりも、顧客の視点に立って考えることが得意だ。
「消費者がモノを買うとき、その決定の7割は女性が下していると言われています。消費者としての経験が豊富な女性は、顧客の持っている価値観を男性よりも理解していることが多い。そのことが、商品企画や営業、接客など、さまざまな場面で成果を出すうえで強みになります」(太田氏)

2 男性と張り合わず、味方につける


男性をライバル視し、競争心剥き出しで戦うのは得策ではない。周囲の人たちの敵対心が煽あおられて殺伐とした雰囲気になるうえ、「協調性がない」と判断される危険もある。発想を180度変えて、男性を味方につけることを考えよう。とはいっても、男性同士のつきあいに参加する必要はない。
「『オールドボーイズネットワーク』に合わせていると消耗してしまいます。まずは男性の中の一人か二人となんでも話せる良い関係を築くこと。そこから他の男性たちの好感と信頼も得ていくのがいいでしょう」(太田氏)

3 雑談の延長で、プライベートについても話す


子育て中は、子供のために、急に早退したり休みを取ったりしなければならないこともある。それによって評価を下げられたり、理解が得られずつらくなったりしないためには、普段の雑談の中で、子育ての苦労などについてさりげなく話すのも良い方法だ。
「雑談は周囲の人たちと良い関係を築くのに有効ですし、その中で、たとえば風邪の話になったら『子供の通っている幼稚園でもインフルエンザが流行っていて、学級閉鎖になるかも』などと言っておくことで、いざ休まなければならなくなっても理解が得られやすい。そのときになって、突然、自分の権利を主張するように休むのはNG。一緒に働く仲間としての信頼を損ねて、評価が下がってしまいます」(太田氏)

4 主張はしても、グチは言わない


今でも女性が昇進するチャンスが少ない企業もある。それが不満だからといって、グチを言っていても仕方がない。むしろ、それによって評価が下がってしまう。不満があっても、ネガティブな言い方ではなく、「○○がしたい」という希望と、「どうすればできるのか?」というアドバイスを求める姿勢を持つこと。それによって初めて会社に意欲を理解してもらえる。
どんな不満についても言えることだが、自分のことを客観的に見てくれる相談相手を持つことが、グチにしてしまわないために有効だと、太田氏は勧める。それは、社内の人でも、社外の人でもかまわない。他人に言えないなら、紙に書き出すのも有効だ。

5 部下を持ったら、自分と比べない


管理職になったら気をつけたいのは、「怖い人」にならないこと。女性管理職には優秀な実績を持つ人が多く、それだけに、部下に対する採点がからくなりがちだからだ。
「とくに女性の部下に対して厳しく接してしまうことが多いですね。『私が彼女の年次だった頃はもっとしっかりしていたのに!』など、自分と比較してしまうのです」(太田氏)
その厳しさが度を過ぎると、チーム運営に支障をきたすことになる。結果、「プレイヤーとしては有能だったが、マネージャーとしてはいま一つ」と評価されてしまう危険もある。
「部下を寛容に見守り、育てる姿勢が必要です。できれば管理職になる前に、後輩育成やチームリーダーを積極的に務め、練習しておくとよいでしょう」(太田氏)

<取材・構成:林 加愛 写真撮影:まるやゆういち>

著者紹介

太田彩子(おおた・あやこ)

営業部女子課の会代表理事

1975年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業後、リクルート入社。クーポンマガジン『Hot Pepper』営業担当者として数々の賞を受賞。その後、独立し、働く女性の支援・育成に取り組む。14年、株式会社CDG取締役に就任。(一社)営業部女子課の会代表理事も務める。『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)など著書多数。

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