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「オス化」はNG! 働く女性の「評価されるコツ」

2015年06月10日 公開
2023年05月16日 更新

太田彩子(営業部女子課の会代表理事)

「会社で評価される女性」がやっていること、しないこと

女性の活躍が叫ばれるようになったとはいえ、長く続いてきた男性中心社会の中で、「頑張っているのに報われない」と感じている女性は少なくないだろう。女性が会社に評価されるには、工夫と知恵も必要だ。
人材育成やコンサルティングを通して働く女性の支援を行なっている太田彩子氏に、その秘訣をうかがった。

 

男性社会に合わせ「オス化」する必要はない

安倍政権による女性管理職登用の推進や企業の出産育児支援などを背景に、女性のキャリア開発の道筋は以前より整ってきていると言えるだろう。しかし一方で、「データに表われない働きづらさは、まだまだ存在する」と太田氏は指摘する。

「近年、職場環境や評価制度の整備が進み、女性も男性と平等に扱われるようになってきました。営業など、成果が数字で見える職種では、とくにそうです。
しかし、女性が出世しようとすると、昔ながらの男性社会に直面することがしばしばあります。深夜におよぶお酒のつきあい、長時間労働、喫煙室でのコミュニケーションなど、いわゆる『オールドボーイズネットワーク』の強い会社が、世の中にはまだまだ数多くあるからです。そうしたつきあいができる部下が上司に可愛がられて昇進する、という会社では、女性は息苦しさを覚えているでしょう」

そんな環境の中で評価されようと、無理に周囲に合わせて「オス化」するのは決して良い方法ではないと言う。

「男性に合わせるのが苦ではないのならいいのですが、心理的抵抗があるのに男性と同じ方法で頑張っても、結果につながらないうえに、ストレスも溜まってしまいます。『ここまでして仕事をする価値があるのか?』などと悪い方向に考えが向き、モチベーションが落ち、キャリアにもブレーキがかかってしまいます。
男性と張り合おうとすると、評価はかえって得づらくなるもの。男性と同じ土俵に立たず、女性ならではの強みを活かすのが賢い方法です。それに、男性も女性に『女性ならでは』のことを期待していますから、それに応えることが評価につながります」

 

「どういう部下がかわいいか」の視点を持とう

では、「女性ならではの強み」とは、いったいなんなのだろうか?

「一般的に、女性は男性よりも気遣いに長けています。ですから、営業などでも、男性とは違ったきめ細やかさで顧客のニーズを察し、それを成果に結びつけることができます。
また社内では、女性の持つ協調性が強みになります。男性特有の『縦社会』に囚われず、『横の関係』を築くことが得意なので、多種多様な意見をまとめるパイプ役として活躍できます。さまざまな立場の人同士をつなぎ、対立意見を調整することで、高く評価されるでしょう」

目先の功を焦ると、空回りしてしまうことになる。時には、自分を評価する上司に花を持たせることも大切だ。

「『上司から見て、どういう部下が可愛いか?』という視点も必要だと思います。たとえば、自分の提案によって大きな成果が出たとき、それを自分一人の力だと主張するよりも、上司のおかげとして会社に報告する。そうすることで、上司がさらに上の上司に認められて、社内でより強い発言力や権限を持つようになれば、結果として、自分自身のチャンスも広がることにつながりますから」

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著者紹介

太田彩子(おおた・あやこ)

営業部女子課の会代表理事

1975年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業後、リクルート入社。クーポンマガジン『Hot Pepper』営業担当者として数々の賞を受賞。その後、独立し、働く女性の支援・育成に取り組む。14年、株式会社CDG取締役に就任。(一社)営業部女子課の会代表理事も務める。『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)など著書多数。

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