2015年04月27日 公開
2024年12月16日 更新
反対に、印象で得する人は「満足」「安心」「便利」「信用」「快適」を感じさせる人です。
ポイントは「明」「元」「素」。明るく、元気で、素直、ということです。こうしたスタンスを崩さない人には自然と仕事が集まってくるでしょう。
そして、もう1つのポイントが、「おもてなしの心」です。相手に好印象を与えられる人は、すべてのコミュニケーションにおいて相手への「おもてなしの心」を発揮しているのです。
その際にポイントになるのが「相手の時間に対する感覚」の有無です。
先ほど例に挙げた「メールが長い人」。こういう人は無意識的かもしれませんが、相手の時間を奪っているわけです。私たちにとって「時間」とは「命」そのものです。「時間を割く」ということは「限られた命の一部を費やす」こと。だからこそ、自分の時間を大切に考えてくれる人に、人は自然と好感を持つのです。
そこで、たとえばタイトルを工夫して、相手にひと目で要件がわかるようにする。それだけで相手の時間の負担は大きく減少し、印象も大きく変わります。
人に何かを伝えるときには、どうすれば短い時間で端的に伝えることができるかを考える。メールや文章を書くときには、どのように書けばなるべく短い文章で、わかりやすく丁寧に伝えられるかを考える。コミュニケーションを取る際、これらのことをつねに意識できる人が、相手に好印象を与えることができるのです。
さて、これまで書いてきたことを逆に考えると、
「人の実力は印象だけではわからない」
ということにもなります。
私たちは印象に惑わされない、印象だけで判断しない習慣をつけることも必要です。
表面的な言葉に踊らされて判断した結果、「実態はとんでもないものだった!」なんてことは避けなくてはなりません。
そのためには「本当のことを見極める」思考を高めていくことが必要です。事実に基づいて考えること、反対側の視点を持つことが基本です。
素直に相手の意見を受けとめつつも、頭の片隅で本当かどうかの検証を行なうスタンスが、多くのビジネスマンに求められています。
こうしたバランス感覚を養い、印象の持つ力を味方につけることが大切なのです。
三坂 健(みさか・けん)
株式会社HRインスティテュート取締役 チーフコンサルタント、早稲田大学エクステンションセンター講師。
慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社損害保険ジャパンに入社。法人営業を経て、HRインスティテュートに参画。以後、経営コンサルティングおよび、論理的思考や課題解決をはじめとするスキルトレーニングの開発、実施を中心に活動。近年は国内での活動のほか、海外での企業支援を行なっており、日本とアジアの往復を繰り返している。
更新:12月26日 00:05