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人間関係が良ければ仕事も進む 「組織の成功循環モデル」のカラクリとは?

北 宏志(人材育成コンサルタント)

人間関係が良ければ仕事も進む 組織を前進させる「成功循環モデル」とは?

成果ばかりを追い求める組織ほど、なぜ失速してしまうのか。ダニエル・キム氏の「組織の成功循環モデル」から、強いチームの条件を解説してもらった。

※本稿は、北 宏志 著『新しい任せ方の教科書 Z世代の部下が動き出す全技術』(ぱる出版)の内容を一部抜粋・編集したものです。

 

組織における成功と失敗の循環

部下に興味を持ち、知ろうとすることから築き始めた人間関係を、より良いものにしていく。それは、組織の強化につながります。

皆さんは「組織の成功循環モデル」をご存じですか。

これはダニエル・キム氏が提唱した組織開発のフレームワークです。組織には「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」という4つの質があり、「関係の質」を高めることが、組織に好循環をもたらすと言われています。

もう少し深掘りしてみましょう。

関係の質が高い、つまりコミュニケーションが促進され、良い人間関係が構築できている状態になれば、必然的にさまざまな意見が飛び交い、思考の質が向上します。思考の質が高くなれば、ポジティブ思考になり、自発的な行動が増え、行動の質が向上します。

行動の質が高くなれば、結果に結び付きやすくなり、結果の質が向上します。良い結果が出れば、さらに信頼関係が良くなり、関係の質の向上につながります。これが好循環の例です。

このモデルには、悪循環の例もあります。

こちらの起点は結果の質です。結果を追い求めることばかりに着目している組織は、目先の成果を得るためのノルマや命令が増え、関係の質が低下します。

関係の質が低くなれば、活発なコミュニケーションが生まれづらくなり、思考の質も低下します。

思考の質が低くなれば、自発的な行動が生まれづらくなり、行動の質も低下します。

行動の質が低くなれば当然、良い結果は生まれづらくなり、結果の質も下がります。これが悪循環です。

【図解】組織の成功循環モデル

 

良好な人間関係を築くには

組織の強化というと、大きな結果を出すことに目が向きがちです。しかし、結果よりも前に、関係の質を高めることこそが、今、上司がすべきことなのだと、私は考えています。

全ての組織の肝は、良好な人間関係です。上司と部下というのは、組織上与えられた役割であって、そこに人としての〝上下〞はありません。また、いくら年齢が離れていても、人は人。どちらかが上であるとか、一方だけが正しいということはありません。

今、Z世代の部下を育成していく上司に求められているのは、Z世代を理解し、寄り添い、彼らと対等で良好な人間関係を構築できる能力です。

いつまでも〝かつての会社像や上司像〞を引きずっていては、上司として失格の烙印を押されてしまうかもしれません。皆さんにはそれくらいの危機感を持って、自らを変えていける上司であっていただきたい。そのような願いを込めて、本章を結びたいと思います。

プロフィール

北宏志(きた・こうじ)

人材育成コンサルタント

㈱ポールスターコミュニケーションズ代表取締役。1983年、北海道生まれ。大学卒業後、中高一貫校で6年間社会科教諭として勤務。その後、ランドセルメーカー勤務、3年間の海外駐在を経て、人材育成コンサルタントとして独立。Z世代の若手社員の研修を中心に活躍し、これまでの受講生は2万5,000名を超える。著書に『新しい教え方の教科書』(ぱる出版)、『教え方の一流、二流、三流』(明日香出版社)などがある。

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