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「みんなの前で褒める」は逆効果? Z世代のマネジメントに役立つ書籍3選

2026年04月07日 公開

本の要約サービス「flier(フライヤー)」

Z世代のマネジメント

ビジネス書を中心に、1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。これまで約4,200冊の書籍をご紹介してきました。

本記事ではフライヤー編集部が、特にワンランク上のビジネスパーソンに読んでほしい本をピックアップ。今回は「Z世代社員のマネジメント」をテーマに、選りすぐりの3冊をお届けします。

 

Z世代マネジメントの正解とは?

Z世代の社員マネジメント

「若手社員と何を話せばいいのかわからない」「自分たちが新人だった頃は○○だったのに......」。そう頭を抱えるミドル世代は多いのではないでしょうか。

主に20代の若手社員に当たる「Z世代」。育った時代や感覚がまるで違う彼らとどう接して、マネジメントをすればいいのか。悩める管理職にぜひ読んでほしいのが『Z世代のマネジメント』(小栗隆志/日本経済新聞出版)です。

本書では、45万人のデータからZ世代の特性を明らかにし、彼らに適したマネジメント方法を提案します。たとえば、Z世代のモチベーションには「夢よりも現実」「競争よりも協調」「賞賛より承認」という傾向がありますが、そのため「熱いビジョンを語っても響かない」「みんなの前で褒められるのを嫌がる」という現象が見られるようです。これを知らないと、良かれと思った行動が逆効果になる可能性もあります。

さらに、若手社員の早期離職を防ぎ、会社に定着してもらうには「We感覚」を育むことだといいます。「We感覚」とは、「うちの会社」と感じられる自分と会社が一体化したような感覚を指します。これを育むことで会社へのコミットメントが増し、離職しにくくなるのだそうです。

優秀な若手人材の獲得が難しくなってきている今、せっかく入社したメンバーに戦力になってもらうためにも、彼らにマッチしたマネジメントは欠かせません。上司・マネジャーは、必読必至の一冊です。

 

“無茶ぶり”しないで若手を成長させるには

『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』

「働き方改革」などの取り組みにより、職場環境は以前に比べてかなり“ホワイト”になりました。残業を伴うハードワークをこなしてきた世代からすると、夢のようであり、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。

労働に対する常識や環境が従来とは異なる中で、どうやって若手を育てていければいいのか。『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(古屋星斗/日本経済新聞出版)は、現代ならではの「若手教育」の難しさを指摘し、その対応策を提示していきます。

本書によると、今の若者は「自分は他の会社では通用するのか」という不安を潜在的に抱えているといいます。その傾向は優秀人材であるほど強く、「自分の技量や知識が発揮できない」「この職場では成長できない」と感じることが「キャリア不安」につながり、転職のトリガーになるのだそうです。

本稿の読者世代が20代だった頃は、上司からの"無茶ぶり"は珍しいことではありませんでした。文句を言いながらもキャパシティを超えた仕事に全力で取り組み、その結果、それなりの充実感や成長実感を得てきたはずです。

ですが、いまの環境でそれを課すのは難しい。ではどうすればいいのか――。その解決策の一つとして挙げるのが「短期で成長実感が得られる業務にアサインする」。経験を積んでいきたい若手にとって、仕事は長距離走ではなく短距離走。ゴールテープの見える距離の業務をアサインし、その中で着実な成長実感を得ることが、キャリア不安の軽減にもつながるのです。若手教育に携わる人におすすめの書籍です。

 

「若者に過剰に気を遣ってしまう」はあなただけじゃない

『若者恐怖症』

「イマドキの若者は会社の飲み会が嫌い」というイメージはありませんか? メディアやSNSを中心に「若者の飲み会離れ」が発信されるなか、「部下を飲みに誘いづらい」「声をかけるだけでハラスメントになりそう」と、若者を恐れる空気が生まれています。

では、本当に「若者は飲み会が嫌い」なのでしょうか? 日本生産性本部の調査によると、2016~18年の3年間、8割の新卒社会人が「友人よりも職場の飲み会を優先したい」と回答したそうです。

「若者の飲み会離れ」を語るうえで欠かせないのが、コロナ禍です。今の若者は、飲み会デビューをする大学時代の大半をコロナ禍で過ごしています。それが「飲み会離れ」に結びついているとしたら、好き嫌いの問題というより社会構造の影響による側面が大きいのではないでしょうか。

このように、若者に対する様々なイメージを取り上げ、彼らの実像と向き合い方を教えてくれるのが『若者恐怖症』(舟津昌平/祥伝社)です。人材不足が進み、いまや若者は「希少人材」として丁重に扱われる存在です。年長世代は彼らを過剰に恐れるようになり、その症状を本書では「若者恐怖症」と名付けています。

では、若者への恐れを手放すにはどうしたらいいでしょうか。著者が強調するのは「理解をすること」です。お化けの正体がわかれば怖くなくなるように、巷の「若者像」に踊らされず、彼らの実像を知ること。それにより、恐怖心は軽減されていくでしょう。

世代は違っても、若者も同じ人間です。適切な距離感で上手に付き合い、ともに組織を盛り上げていくためのヒントを、本書で見つけてはいかがでしょうか。

 

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