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「乳製品は朝だけ」は損? 高齢者の筋肉を劇的に増やす“分け摂り”の極意

2026年09月14日 公開

中山潤一(整形外科医)

食事中のイラスト

筋肉づくりに欠かせないアミノ酸「ロイシン」を含む乳製品。実は1回で摂るより「こまめに分けて摂る」ほうが、高齢者の筋肉維持に効果的です。さらに、意外と知られていない「糖質の摂りすぎが筋肉を劣化させるメカニズム」についてもわかりやすく解説します。

※本稿は、中山潤一著『動ける体が大復活する1分体操』(株式会社アスコム)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

年を重ねるほど「乳製品」は分けて摂ろう

筋肉のタンパク質は、アミノ酸を材料に作られます。

筋肉のタンパク質が作られるときに特に必要とされるのは、「運動による刺激」と「ロイシン」という必須アミノ酸です。「体操とロイシン」によって筋肉は作られていくということを、ぜひ覚えておいてください。

特に牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品には、ロイシンが豊富に含まれています。

乳製品は良質なタンパク質の代表格だということは、先に述べたとおりです。ですから乳製品を、ぜひしっかり摂ってください。

ただし、冷蔵庫から出したばかりの牛乳は冷たすぎて、胃に負担をかけることがあります。あまり冷たい牛乳をごくごく飲むのは控えていただくほうがいいかもしれません。

乳製品は、できるだけ毎日、1回だけ摂るのではなく、数回に分けて摂ってください。

「乳製品は朝のヨーグルトだけ」などと1回ですませるのではなく、「朝は牛乳、夜はチーズ」などと、2回以上の機会で摂っていただきたいのです。

乳製品は一度にたくさん摂るよりも、分けて摂るほうが、筋肉を作るタンパク質の合成が効率的に進むからです。数回に分けることで、24時間を通じて筋肉の合成が活発になります。

特に高齢者では、この「分割摂取」の効果が顕著に表れることが、研究で確認されています。

 

(※1)Mamerow MM, Mettler JA, English KL, Casperson SL, Arentson-Lantz
E, Sheffield-Moore M, et al. Dietary protein distribution positively influences 24-h
muscle protein synthesis in healthy adults. J Nutr. 2014;144(6):876-80. doi:10.3945/
jn.113.185280]

 

「糖質」の摂りすぎは筋肉を劣化させる

太りすぎや糖尿病を気にして「糖質」を敬遠している方もいらっしゃるでしょう。ですが、糖質も体に必要な栄養素です。体を動かすエネルギー源ですから、糖質もちゃんと摂ってください。ご飯、パン、麺類などの炭水化物が、糖質の代表格です。

ただし、ちゃんと摂っていただきたい栄養素ですが、摂りすぎに注意していただきたい栄養素でもあります。

ここまで「寝たきりにならないために、筋肉を鍛える」というお話をしてきましたが、実は寝たきりになる大きな要因としては、脳梗塞などの「脳卒中」があります。糖質の摂りすぎは、動脈硬化を招き、ひいては脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。つまり、糖質の摂りすぎを避けることもまた、寝たきりを防ぐことになるのです。

けれども、それだけではありません。

「高糖質の食事は、筋力を低下させる」と言ったら驚かれますか?でも、本当のことです。

まず、糖質に偏った食事は、タンパク質の不足を招きます。

ロイシンなどの必須アミノ酸が不足すれば、筋肉を維持する力も、増強する力も、低下してしまいます。

麺類など、糖質が大半の食事でお腹が満たされてしまうと、筋肉に必要なタンパク質の摂取が減りがちだというのは、皆さんも経験があるのではないでしょうか。

また、糖質の多い食事をすると、食後に急激に血糖値が上がり、しばらくすると大きく下がります。そんなふうに血糖値が乱高下すると、筋肉の合成に必要なホルモンバランスが崩れてしまいます。

さらに、高糖質の食事は「体内の炎症」を促進します。体内の炎症というのはウイルスなどから体を守る正常な反応ですが、炎症が慢性的になると筋肉がどんどん分解されてしまいます。

ですから、筋肉を守るためにも、糖質は摂りすぎないでいただきたいのです。

特に、精製された糖質が問題です。白砂糖、白米、白い食パンなどですが、そういう食材は精製される過程で食物繊維やビタミンなどの大切な栄養素が失われているからです。

プロフィール

中山潤一(なかやま・じゅんいち)

中山クリニック委員長、整形外科医、医学博士

【YouTube登録者10万人突破】 兵庫県明石市で連日患者が向き合う「行列のできる整形外医」。
「1日1万歩は歩きすぎ」という医学的事実に基づき、「1分で終わる、頑張らない運動」を提唱するヘルスケアの専門家。大阪医科大学卒業後、神戸大学整形外科に入局。
基幹病院での過酷な臨床現場や手術経験を経て、「手術以前に、日常のちょっとした習慣で治せる痛みがある」「良かれと思ってやった運動で逆に体を壊している人が多すぎる」と痛感し、兵庫県明石市に中山クリニックを開業。

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