THE21 » ライフ » 半年で20Kg減に成功!管理栄養士が自ら解説「しっかり食べてやせる」科学的ダイエット

半年で20Kg減に成功!管理栄養士が自ら解説「しっかり食べてやせる」科学的ダイエット

2025年07月18日 公開

前田量子(料理家、管理栄養士)

科学的ダイエット

「肉体改造」を思い立ち、いきなり運動や食事制限を始める人は多い。しかし、本来食べることが好きならば、急な食事制限をしても長続きせず、かえって過食、リバウンドしてしまう。

本企画では、自身20kgのダイエットに成功した管理栄養士の前田量子氏に、炭水化物も抜かずにお腹いっぱい食べて、健康的にやせる食事ダイエット法を聞いた。(取材・構成:前田はるみ)

※本稿は、『THE21』2024年8月号特集[50代からの「肉体改造」入門]より、内容を一部抜粋・再編集したものです。

 

運動しなくても食事だけでやせられる

私がご紹介するのは、管理栄養士として自分の栄養の知識を総動員して編み出したダイエット法です。特別な運動なしで、食事だけで健康的にやせられる。しかも、お腹いっぱい食べながら確実に体重を減らせるダイエット法です。

これを考案したのは、自分自身のメタボ体形がきっかけでした。当時は身長160cm、69kg。管理栄養士として栄養指導している私が太っていては、いくら「メタボに気をつけましょう」と言っても説得力がないと思ったのです。

本当に運動しなくてもやせられるのか、自分の身体を使って試した結果、半年で20kg減を達成! 血圧は上が130mmHgから100mmHgに下がりました。

このダイエット法の一番の肝は、カロリーコントロールにあります。糖質オフをはじめ色々なダイエット法がありますが、体重に最もインパクトを与えるのは、食事のカロリーを減らすことです。同時に、筋肉は落とさず、健康を守るための栄養素も考慮しています。私の身体で実証済みの、誰でも健康的にやせられるダイエット法です。

 

目標体重を設定し、1日の摂取カロリーを定める

あなたの理想の体重は?

ダイエットを始める前に、自分の理想体重をBMI値から算出してみましょう。BMI値は、「体重(kg)÷{(身長(m)×身長(m))}」で計算できます。

仮に、「50歳男性、身長170cm、体重75kg」の場合で考えてみます。この人のBMI値は、75÷(1.7×1.7)=26.0。日本肥満学会によると、BMI目標値は年齢によって異なりますが、50~69歳の場合、「BMI20以上25未満」が普通体重、「BMI20未満」は体調不良や病気のリスクが高まる低体重、「BMI25以上」を肥満と定義しています。したがって、身長170cm、体重75kgは現状では肥満と判定されます。

一方、死亡率が最も低下する理想的なBMI値は、22です。身長170cmでBMI値が22になるための体重を計算すると、約64kgです。これがこの人の理想体重と言えます。

次に、自分が今現在、食事で何kcal(キロカロリー)を摂取していて、理想体重になるには何kcalまで減らす必要があるのかを計算してみます。

まず、現在の摂取カロリーですが、これを知るすべはなかなかありません。そこで、現在の体重から推測してみます。過去1~2カ月を振り返って、体重の変動がなければ、摂取カロリーと消費カロリーはイコールと考えられます。一般的に、のびのびと生活している人が体重1kg当たりに必要なカロリーは、35kcalと言われています。体重75kgの場合、35×75=2625。つまり、1日約2600kcalで生きていると推測できます。

では、理想体重64kgで必要なカロリーはどのくらいでしょうか。35×64=2240。つまり、1日の食事を約400kcal減らし、約2200kcalにコントロールすれば、64kgまで体重を減らせるということになります。

ちなみに、体重を75kgから64kgまで11kg減らすのに、どれくらいの期間が必要かも計算してみます。

脂肪1kgを燃やすのに、7200kcalの消費が必要と言われています。ダイエットで脂肪だけを落とすと仮定して、体重を11kg減らすには、7200×11=7万9200kcalの削減が必要です。1日の食事を400kcalずつ減らしていくと、7万9200÷400=198日≒6カ月。およそ半年から1年で64kgまで落とせる計算になります。

 

外食でやせるなら、魚料理でご飯少なめ

外食メニューの選び方

1日の食事でとるカロリーが約2200kcalなので、1食当たり730kcalが目安となります。本来であれば、毎食の食材を計量してカロリーを把握するのが理想的ですが、なかなかそうもいきません。ここでは、無理せずカロリーを減らすための方法をいくつかご紹介します。

外食の機会の多いビジネスパーソンは、外食メニューの選び方を変えるだけでもやせることができます。

外食するときのポイントとして、メインの皿はたんぱく質がとれるものを選びます。たんぱく質をしっかりとって、「基礎代謝を下げない」「活動エネルギーを増やす」ことがダイエット成功の鍵になるからです。麺類や丼物などの一品ものは、糖質が多くたんぱく質が少ないので、避けるのが無難です。

肉料理と魚料理であれば、カロリーを抑えやすい魚料理を選びます。肉料理の場合は、豚や牛よりも、鶏が最も低カロリーです。その際、部位も重要で、「もも」より「ささみ」や「むね」を選びます。調理法は、「蒸す」「焼く」「生」など、手の込んでいない料理ほど低カロリーです。逆に「揚げる」「炒める」は油で高カロリーになります。

最後に、調味料です。例えば、ささみを選んでも、ごまだれをかければ一発アウトです。ポン酢や青じそドレッシングなど、和風のノンオイルタイプがおすすめです。

そして、ご飯の量は少なめに。これらのポイントを意識するだけでも、かなりやせられると思います。

お酒をたしなむ人は、どうしてもカロリーが高くなりがちなので、ご飯の量を減らすなど炭水化物で調整すると良いでしょう。また、アルコールを飲むと筋肉が作られにくくなるので、たんぱく質をしっかりとることも忘れずに。肝臓へのダメージを軽減するために、水分の補給も大切です。肝臓修復には枝豆など大豆製品をとることもおすすめです。

 

野菜が簡単にとれる「美肌スープ」の作りおき

作りおき美肌スープの作り方

自宅で作る献立の場合も、基本的には外食選びのポイントと同じ考え方です。

たんぱく質は、毎食とります。肉、魚、卵、大豆は、たんぱく質以外の栄養素がそれぞれ違うので、まんべんなく食べるようにします。朝は卵や大豆、昼は肉でしっかりたんぱく質をとり、夜はDHAやEPAの脂がとれる魚を食べるのがおすすめです。

ダイエットが続くと、どうしてもエネルギーが制限されて脳の萎縮をもたらすリスクがあるため、脳をしっかり守るためにはDHAやEPAが必要なのです。

ダイエットしながらお腹いっぱい食べるには、食物繊維が豊富な野菜をたくさん食べるのが一番です。野菜ならいくら食べてもいいくらいです。ただし、じゃがいも、さつまいも、れんこんなどの根菜類は食べ過ぎに注意です。

野菜の摂取量を増やすためのラク技としてお勧めしたいのが、作りおきの美肌スープです。作り方は上図に載せてありますが、大根とにんじんを切って鍋で煮るだけのお手軽スープです。これを1週間分まとめて作っておき、汁物や和え物などの具として利用します。1回当たり100~150gをとれば、これだけで1日分に必要な野菜を簡単にとることができます。

大根とにんじんがいいのは、季節に関係なく手頃な値段で手に入り、かつダイエットに重要な栄養素を含む野菜だからです。大根に含まれるカリウムには、むくみを解消・予防したり、血糖値の急上昇を抑えたりする効果が期待できるので、健康的にやせるには不可欠な栄養素です。また、にんじんに含まれるビタミンAは、肌の健康を保ってくれます。

どちらの野菜も食物繊維が豊富で、お腹が空きにくくなるのも嬉しいですね。わりと歯ごたえがあるので、噛むことで脂肪燃焼効果もあります。日々の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

超簡単なズボラ料理ほどダイエットには向く

超簡単!電子レンジ調理

外食の選び方でも説明した通り、手の込んだ唐揚げよりも、簡単に作れる料理ほど低カロリーになります。私がお勧めするのは、電子レンジ調理です。

例えば、冷蔵庫の中の消費したい野菜を耐熱皿に入れて、その上にたんぱく質がとれる食材をのせます。だいたい「100g当たり加熱2分」と覚えておきましょう。総重量が200gなら4分の加熱でOKです。

ズボラすぎると思うかもしれませんが、ズボラすぎるほうが、続けられるからいいんです。仕事から疲れて帰ってきて、コンビニで買ってきたミックス野菜の上に、イワシ缶を載せてチン。簡単だけど、栄養価は完璧です。簡単だから、ついつい作りたくなります。ついつい作る料理がやせる料理だったら、その人は必ずやせていきます。

 

糖質オフダイエットを推奨しない理由とは

カロリーコントロールのため炭水化物を控えたいので、1食分のごはんはお茶碗1杯(120g)、パンなら6枚切り1枚を目安にします。ただし、炭水化物はゼロにしないほうがいい、というのが私の考えです。

もちろん、炭水化物を止めて、おかずだけ食べても、やせることはできます。ですが、おかずの量が増えると、たんぱく質の摂取が増えて、腸内環境が悪化します。すると、おならが臭くなり、社会生活に影響が出ます。

あるいは、炭水化物を止めて、その代わりに野菜をたくさん食べる。これもいいのですが、野菜が増え過ぎると、今度は味つけの塩分量が増えていきます。

つまり、炭水化物をゼロにしないのは、たんぱく質や塩分の過剰摂取を防ぐためです。また、糖質がないと、たんぱく質の効率が悪くなります。筋肉を減らさないためにも、糖質は必要なのです。

 

「買い物が整えば身体も整う」ダイエットは継続が大事

やせる買い物習慣

最後にお伝えしたいのは、やせたいなら、冷蔵庫の中に太りやすい食材を置かないことです。つまり、太りやすい食材を買わない。「ダイエットが成功するかどうかは、買い物で決まる」と言ってもいいでしょう。  

別の表現をすると、太る隙がなければ太ることはありません。太る隙とは、うっかり高カロリーのものが家にあることです。低カロリーの食材や調味料を買い、超簡単な調理法でやせる献立を続けていけば、やせパターンが身につきます。食べたものがその人の身体になるので、ダイエットは継続が大事なのです。

 

【前田量子(まえだ・りょうこ)】
一般社団法人日本ロジカル調理協会代表理事。前田量子料理教室主宰。本格的なのに誰もが再現しやすく、調理科学に裏づけされたレシピ作りに定評があり、美しい盛りつけが好評で、雑誌やテレビCM、企業へのレシピ提供なども多く手がける。主な著書に『おデブ管理栄養士だった私が20kgやせた お腹がすかないダイエット』(主婦の友社)など。

THE21の詳細情報

関連記事

編集部のおすすめ

食生活の改善だけでやせる!4STEPダイエット

森拓郎(rinato代表)

医師が語る、40代からの健康診断で必ずチェックすべき「4つの数値」

森勇磨(産業医/内科医)

完全栄養食の「BASE FOOD」 28歳の創業者を動かした“自身の不健康”

橋本舜(べースフード株式会社 代表取締役)