2021年12月09日 公開
2023年02月21日 更新
ビジネスパーソンに必須の思考法と言われれば、ロジカルシンキングを挙げる人は多いだろう。しかし、ロジカルシンキングは万能ではない。ロジカルシンキングが様々な場面で必要不可欠な思考法であることは間違いないが、他の思考法も同時に使いこなすことで、問題解決力が飛躍的に高まると、コンサルタントの吉澤準特氏は言う。
ビジネスに役立つロジカル・ラテラル・クリティカルの3つの思考法の特徴と使い分けについて、詳しくうかがった。
※本稿は、『THE21』2022年1月号から一部抜粋・編集したものです。
(1)ロジカルシンキング
物事に対して正攻法で一つずつ目の前の課題を解決していく思考法。「もれなくダブりなく」課題を要素分解するのに役立つ。
(2)ラテラルシンキング
似たような課題の解決方法を活用する思考法。目の前の問題に直接対峙するのではなく、「発想の転換」を重要視する。
(3)クリティカルシンキング
物事の本質にさかのぼって、目の前の課題が本当に解決すべき課題なのかを問い直すところから始める思考法。そもそもの目的に鑑みると、目の前の課題を解決しなくても先に進めることがわかる場合がある。
【例】ある企業では、商品Xのキャンペーンに力を入れている。ところが、直営店Aでは、他の直営店と比べてXの売上がなかなか伸びない。直営店Aで打つべき施策はどのようなものだろうか。
・ロジカルシンキングで考えると…
商品Xの価格や性能、直営店Aでの展示の仕方や接客に悪い点があるのではないだろうか。商品Xの購入者を中心に、直営店Aの利用者へのアンケートでお客様の声を集めて改善点を探ってはどうだろうか。
・ラテラルシンキングで考えると…
直営店Aだけで売れていないなら、商品Xの売上が伸びている店舗のやり方を取り入れてみてはどうだろうか。客層が似ている直営店Bや、立地条件が似ている直営店Cのやり方を見てみよう。
・クリティカルシンキングで考えると…
商品Xは、直営店Aの顧客の属性に合っていない可能性がある。本質的な目的が業績の向上なら、直営店Aでは他の商品を前面に出したほうがいいのではないだろうか。
→同じ課題でも、異なる思考法でアプローチすることで、こんなにも異なる解決策が導き出される場合があります。3つの思考法は、順序良く組み合わせて活用することが重要です。
更新:11月24日 00:05