
誰かにお願いをするとき、真正面からぶつかる以外にも方法はある。ほんのわずかな工夫で、自分の意志が通る可能性はグッと上がるかもしれない。
※本稿は、齊藤勇 監修『人間の攻略法 ココロ研究所へようこそ』(Gakken)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
街でいきなり呼び止められて、「今すぐウチの会社のスマホに契約しませんか」とせまられたらどう?「怖いな」と思っちゃうよね。でも「1分だけお時間もらえませんか?スマホのお悩みがあれば、お話しください。景品もお渡ししますよ」なんていわれたら、どうかな?ちょっと困っていることもあるし、景品ももらえるなら...と話をするんじゃない?その結果、スマホのお試しプランを契約してしまったりするかもね。
実はこれ、「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックが隠されているんだ。人は最初に簡単なお願いごとに応えると、次のお願いごとが断りにくくなるんだよ。もし、誰かに何かをお願いしたいなら、簡単なお願いから始めるのがいいんだ。
ちなみに、「フット・イン・ザ・ドア」の由来は、訪問販売員の様子から来ている。セールスを断るつもりでドアを閉めようとすると、ドアの隙間に足をはさんで「30秒だけお話を!」などと訪問販売員は食い下がる。お客さんは必死な様子に「少しだけなら...」と話を聞いてしまい、結局は契約までしてしまうのさ。
「ヤバい、今日は宿題がいっぱいだ!でも早く遊びたい。友達に手伝ってもらおう」なんて思うときはあるかな?宿題は自分でやるのが基本だが、どうしても手伝ってほしいときは、友達にこうやってお願いしてみよう。「ごめん、今日は大事な用があるんだ。今日の宿題、僕の代わりにぜんぶやってくれない?」ってね。
友達は「えー、ぜんぶなんてやだよ」というだろう。そんな無理なお願いは断られるに決まっている。しかし、重要なのはその後だ。「じゃあ、少しだけ宿題を手伝ってくれない?」とお願いするのさ。するとどうだろう?友達は「少しだけならいいよ」と手伝ってくれるはずだ。
これはドア・イン・ザ・フェイスというテクニックだ。人はお願いを断り続けるのが苦手なんだ。「断ってしまって悪いな」という罪悪感があるからね。最初にわざわざ大きなお願いをして断らせる、そして本命のお願いを引き受けてもらうっていう裏ワザさ。
コンビニのレジの前、床に足跡のマークがついていることがあるよね?レジに並ぶとき、なんとなくその上に立っていないかな。実はそれ、店員さんにあやつられているのさ。お客さんが勝手に並んでくれれば、店員さんが「こちらに並んでください」と声をかける必要がなくなるからね。これは「ナッジ理論」をうまく使った例だ。ナッジとは、英語で「ヒジで軽くつつく」という意味。無理やりやらせるのではなく、やってもらうために"ちょっとだけつつく”というのがポイントだ。
また、「いつもきれいに使ってくれてありがとうございます」とトイレに貼り紙がしてあるのを見たことはないかな?「きれいに使え!」と命令をされるとイヤな気がするけど、お礼をいわれたら「きれいに使わなきゃ」って思うだろう。これもナッジ理論の応用さ。
更新:07月29日 00:05