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誰でも言葉巧みに思いのまま!? 駆け引きのテクニック3選

齊藤勇(心理学者)

「人間の攻略法」

誰かにお願いをするとき、真正面からぶつかる以外にも方法はある。ほんのわずかな工夫で、自分の意志が通る可能性はグッと上がるかもしれない。

※本稿は、齊藤勇 監修『人間の攻略法 ココロ研究所へようこそ』(Gakken)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

小さなお願いから始めて!:フット・イン・ザ・ドア

街でいきなり呼び止められて、「今すぐウチの会社のスマホに契約しませんか」とせまられたらどう?「怖いな」と思っちゃうよね。でも「1分だけお時間もらえませんか?スマホのお悩みがあれば、お話しください。景品もお渡ししますよ」なんていわれたら、どうかな?ちょっと困っていることもあるし、景品ももらえるなら...と話をするんじゃない?その結果、スマホのお試しプランを契約してしまったりするかもね。

実はこれ、「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックが隠されているんだ。人は最初に簡単なお願いごとに応えると、次のお願いごとが断りにくくなるんだよ。もし、誰かに何かをお願いしたいなら、簡単なお願いから始めるのがいいんだ。

ちなみに、「フット・イン・ザ・ドア」の由来は、訪問販売員の様子から来ている。セールスを断るつもりでドアを閉めようとすると、ドアの隙間に足をはさんで「30秒だけお話を!」などと訪問販売員は食い下がる。お客さんは必死な様子に「少しだけなら...」と話を聞いてしまい、結局は契約までしてしまうのさ。

 

無理なお願いをふっかける!:ドア・イン・ザ・フェイス

「ヤバい、今日は宿題がいっぱいだ!でも早く遊びたい。友達に手伝ってもらおう」なんて思うときはあるかな?宿題は自分でやるのが基本だが、どうしても手伝ってほしいときは、友達にこうやってお願いしてみよう。「ごめん、今日は大事な用があるんだ。今日の宿題、僕の代わりにぜんぶやってくれない?」ってね。

友達は「えー、ぜんぶなんてやだよ」というだろう。そんな無理なお願いは断られるに決まっている。しかし、重要なのはその後だ。「じゃあ、少しだけ宿題を手伝ってくれない?」とお願いするのさ。するとどうだろう?友達は「少しだけならいいよ」と手伝ってくれるはずだ。

これはドア・イン・ザ・フェイスというテクニックだ。人はお願いを断り続けるのが苦手なんだ。「断ってしまって悪いな」という罪悪感があるからね。最初にわざわざ大きなお願いをして断らせる、そして本命のお願いを引き受けてもらうっていう裏ワザさ。

 

「つい」やりたくなっちゃう。:ナッジ理論

コンビニのレジの前、床に足跡のマークがついていることがあるよね?レジに並ぶとき、なんとなくその上に立っていないかな。実はそれ、店員さんにあやつられているのさ。お客さんが勝手に並んでくれれば、店員さんが「こちらに並んでください」と声をかける必要がなくなるからね。これは「ナッジ理論」をうまく使った例だ。ナッジとは、英語で「ヒジで軽くつつく」という意味。無理やりやらせるのではなく、やってもらうために"ちょっとだけつつく”というのがポイントだ。

また、「いつもきれいに使ってくれてありがとうございます」とトイレに貼り紙がしてあるのを見たことはないかな?「きれいに使え!」と命令をされるとイヤな気がするけど、お礼をいわれたら「きれいに使わなきゃ」って思うだろう。これもナッジ理論の応用さ。

プロフィール

齊藤 勇(さいとう・いさむ)

立正大学名誉教授

早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。人間関係の心理学の中で、特に対人感情や自己呈示の心理などを研究。企業や学校での対人関係を良好にするスキルについても研究を深め、独自の「あいづち対話法」を開発し、その普及に務めている。日本あいづち協会理事長。日本ビジネス心理学会会長。大阪経済大学客員教授。近著『超・相槌』(文響社)、『ずるい心理学』(ぱる出版)など、著書は200冊以上。

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