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知らなきゃ損する!? 消費者心理を揺さぶる心理効果3選

2026年07月27日 公開
2026年07月27日 更新

齊藤勇(心理学者)

「人間の攻略法」

買い物や外食で選択をするとき、自分の意志で選んでいるつもりでも、実は「選ばされている」かもしれない。消費者として知っておきたい心理学の研究を紹介する。

※本稿は、齊藤勇 監修『人間の攻略法 ココロ研究所へようこそ』(Gakken)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

真ん中を選んじゃう?:妥協効果

飲食店にとって食材費の値上がりは大問題!「今まで800円で定食を売っていたのに、1000円で売らないと利益が出ない。でも、1000円にしたらお客さんが来なくなるかも...」。お店を経営するって大変だよね。

だがしかーし!こんなとき、心理学のテクニック「妥協効果」が役に立つのさ。まずは、メニューを1300円、1000円、800円の3つのランクに分けるぞ。今まで出していた定食は、素直に値上げして1000円にする。そして、定食からサラダを抜いたものを800円で、小鉢を追加して豪華にしたものを1300円で売ってみるんだ。

するとどうだろう。多くのお客さんは、800円や1300円の定食ではなくて、1000円の定食を選ぶんだよ。人はいくつか選べるとき、真ん中の選択肢を選ぶのが心のクセなんだ。こうすれば、値上げしたことが意識されにくくなるだろう。

ちなみにこの妥協効果、選択肢が2つだとうまくいかない。800円の定食と1000円の定食だけだと、「お、800円のほうがお得だな」となるからね。3つの選択肢があることで、人間には"いちばん高い”と"いちばん低い”を避ける心理が働くんだ。

 

少ないものほど気になっちゃう!:希少性の原理

少し前まで行列ができていたクレープ屋さん、「すごく気になるなぁ」と思っていたけど、最近は行列ができなくなっちゃった。そうなると「別に買わなくていいか」って気がしてきた。こういう、「簡単には手に入らないからこそ気になる!」という気持ちは誰にでもあって、「希少性の原理」といわれるんだ。

お店からしたら大変だ。一度人気がなくなったら、もう人は集まらないんだろうか?いいや、そんなことはないぞ。簡単なことさ、希少性を演出すればいいんだ!

たとえば、期間限定メニューを作る。春にしか食べられない桜のクレープなんてどうだ?数量限定メニューもいいね。1日限定10食のスペシャルメニューを考えてみよう。限定メニュー欲しさの行列ができれば、通りがかりの人も行列に並ぶようになって、またたくさんクレープが売れるようになるよ。

 

絶対に損したくない!:損失回避性

おじさんが通う美容室は、行くたびに100円引きのクーポンをくれる。でも、そのクーポンの期限は1か月で切れちゃうんだって。だから、おじさんはクーポンを使うために毎月通ってる。

でも、よく考えてみてよ。髪って1か月でそれほど伸びる?1年間で計算したら、1か月半や2か月に一回行くくらいのほうが散髪代は安くなるはず。それなのに、「クーポンを使わなきゃもったいない」っておじさんは毎月髪を切りに行っちゃうんだ。

実は人間には100円を得るうれしさより、100円を失う苦痛の方が大きく感じる性質がある。これを「損失回避性」というよ。損をしたくないという気持ちが人間は強いんだね。「もらったクーポンを使わないと、100円損をしてしまう」という気持ちが、おじさんを美容室に向かわせるんだな。

プロフィール

齊藤 勇(さいとう・いさむ)

立正大学名誉教授

早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。人間関係の心理学の中で、特に対人感情や自己呈示の心理などを研究。企業や学校での対人関係を良好にするスキルについても研究を深め、独自の「あいづち対話法」を開発し、その普及に務めている。日本あいづち協会理事長。日本ビジネス心理学会会長。大阪経済大学客員教授。近著『超・相槌』(文響社)、『ずるい心理学』(ぱる出版)など、著書は200冊以上。

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